40代の転職に勝ち抜くための13の戦略
40代の転職は、若さやポテンシャルを武器にできる20代、30代の転職とは全く違うものです。
30代の延長線上と考えて転職活動すると、書類選考で数十社から落とされたり、面接で苦戦したりします。40代が転職で勝ち抜いていくための13の戦略をまとめてみました。40代が転職を考えるタイミングはいつか、資格はあったほうがいいのか、未経験でも転職はできるのか、男女差はあるのか、転職エージェントや転職サイトの活用法など、様々な角度から掘り下げます。
40代の転職と会社の寿命
20代で入社した会社は40代になったとき倒産する
会社の平均寿命がどれくらいか、ご存知ですか? 東京商工リサーチの調査によると、倒産した会社の平均寿命は23.3年。(2020年現在)大学を卒業して22歳で会社に入社したとしたら、45歳のときには会社は倒産してしまうのです。
テクノロジーの進化や社会情勢など、時代の変化のスピードはどんどん加速しています。自分自身は世の中の趨勢についていけたとしても、会社自体が時代から取り残されてしまった結果、在籍している自分まで倒産の危機に巻き込まれてしまう可能性があります。
特に、売上や営業利益の前年比ばかりを意識して新規事業が立ち上がらない会社や第二、第三の柱がない会社、ビジネスが成熟しているうえに、人材の新陳代謝が進まない会社は要注意です。
こうした日本の停滞する現状から、「40歳定年制」という言葉も登場しました。東京大学大学院教授の柳川範之氏の2050年に向けての提言で、2013年発売の書籍『日本成長戦略 40歳定年制 経済と雇用の心配がなくなる日』に記されています。
「40歳定年制」を意識したキャリア形成をしておくことは、自分のキャリアの劣化を防ぐだけでなく、30代からセカンドキャリアに向けた準備が可能になります。40歳定年制を取り入れている会社はほとんどありませんが、もし40歳で会社を定年になるとしたら、30代のキャリアプランは大きく変わるはずです。
中には、定年まで、あるいは定年後も今の会社で雇用してもらおうと守りの姿勢を貫く方もいます。20年先、30年先の未来が間違いなく保証されているのであればいいのですが、少しでも会社にリスクがあるとしたら、自らを守る術を40代になる前に考えておく必要があると考えます。
【参考記事】「40歳定年制」の語源を理解し、自分のキャリアを考える
40代が転職を考える最適なタイミング
40代になると、会社や自分の未来への不安が募り、転職を考えるタイミングが1度や2度ではないレベルで訪れます。どんな時に転職を考え、自分のキャリアを見直すべきなのでしょうか?
キャリアでつまずいた時に未来を考える
40代で仕事が順調ならば、自分のキャリアやスキルに疑いや不安を持つことなく、そのまま50代に突入する未来を想像しているかもしれません。しかし、自分とは関係ないところで起きる外部環境の変化は、年々増えていると思いませんか?
東日本大震災や西日本豪雨などの自然災害、リーマンショックなどの経済的な大きな変化、新型コロナウイルスなど、自分の働き方や価値観が大きく揺さぶられ、これまでのキャリアでいいのかと迷いや不安が生じた経験があるはずです。
また、40代でジョブローテーションや配置転換、リストラなどで、想像していなかった方向に強制的にキャリアチェンジさせられた方もいます。これまでの実績やプライドを失い、自暴自棄になってしまうかもしれません。
しかし、こうした「つまずき」は、自分のキャリアを見直す強いモチベーションになります。禍を転じて福と為す人になれるかどうかは、つまずきを単なる失敗と捉えず、自分の未来について考える機会をもらえたと考え、前に進めるかどうかです。
できることなら、自分のつまずきや外部的な要因ではなく能動的に立ち止まって、これからのキャリアについて考える時間を設けましょう。40代を仕事に忙殺されながら駆け抜けるのではなく、まずは50代、60代になっても今の仕事を続けていくかどうかを考えます。50代でやってくる役職定年を迎えてから、その先のキャリアプランを考えているようでは遅すぎます。
【参考記事】40代キャリアの見直しは「失敗したとき」や「つまずいたとき」にやるといい
40代の誰もが1度は考える退社
40代にもなれば、誰もが1度は会社を辞めたいと思った経験があるはずです。しかし転職市場の40代のニーズを考えると、勢いで辞表を提出できるほど、現実は甘くはありません。
会社を辞めたいと思ったら、まずは40代のどこかにゴールテープを設置してみてください。具体的には、45歳まではこの会社で頑張る、プロジェクトがカットオーバーするまでは会社を辞めない、部下の育成に目途がつくまで会社に残るなどです。
そのゴールテープを切ったあとで、改めて自分自身に問いかけてみてください。本当にこの会社を辞めていいのかと。
また、会社を辞めたい気持ちが本当かを確認するために、敢えて転職活動をしてみるのもありです。頭の中で行う転職活動と、実際に転職活動するのとでは、意味合いが違います。
転職活動をしてみると、履歴書や職務経歴書を書きながら、自分のキャリアの棚卸しができます。転職エージェントと面談して、業界の情報を得ると、転職意欲が変化することもあります。面接で会社を訪問し、他社の人事や上司になる予定の人とあって、いい刺激を受けるかもしれません。
そうした転職活動を行う中で、実は強い転職の意思がないと気づいたり、会社への不満のはけ口として転職を考えたりしているだけと気づく場合もあります。他にも転職活動中に、自分という商品に市場価値がないことが分かり、心が折れることもあります。会社を辞めたいのか、今の会社に残るのかは、実際に転職活動をしてみないと分からない部分も正直あります。
あるいは、会社を辞めたい気持ちが爆発しそうなときは、その気持ちを1度先送りしてみましょう。休み明けだから、会社に行きたくないだけかもしれません。たまたま仕事がうまくいかなかったら、会社を辞めたいと思っているのかもしれません。
辞めたい気持ちをスルーしたあと、すっかり退職熱が冷めてしまった方もいるのではないでしょうか? 転職活動には、何より「冷静さ」が必要です。会社を辞めたい思いが強すぎると、いい転職活動はできません。
【参考記事】40代が「会社を辞めたい!」と思ったときに試して欲しい3つの対処法
40代後半で突然やってくる親の介護
40代に起こる外部環境の変化で、最も起こり得る可能性が高いのが親の介護です。親の年齢が75歳を超えると、身体的な衰えが顕著となり、当たり前にできていたことが出来なくなりますし、80歳を過ぎた頃には認知症を発症する可能性が高くなります。
介護が突然やってきたとき、会社の誰にも相談せずに介護離職してしまう方が多くいます。また、介護転職をして、介護と仕事の両立をしやすい職場環境を目指す方もいますが、これらは一番やってはいけない選択です。
40代で介護離職や転職を決断する前に、まずは親が住む地域にある地域包括支援センターへ行って、具体的な介護の相談をするところから始めましょう。介護保険サービスの種類を理解するだけで、介護と仕事の両立のビジョンが見えてきます。意外なところでは、会社の福利厚生サービスにある無料の介護相談窓口を活用してみるのも手です。
介護保険サービスを使うと、親にデイサービスに通ってもらったり、自宅にヘルパーさんが来たりなど、働いている自分が面倒見切れないところを、介護のプロがサポートしてくれます。親が希望するなら、介護施設を検討してみてもいいでしょう。
こうした選択肢があるにも関わらず、介護の相談を誰にもできずに、人生終わったと考えて介護離職する方が多くいます。自分で介護を担い、孤独に介護を続けた結果、親子とも自滅するケースもあるのです。どの会社でも、介護休業制度を利用できるので、介護休業や介護休暇を取りながら働けます。
介護休業制度の休みは、自分で介護するための休みではありません。あくまで介護の態勢を作るための休みなので、休業中に介護保険サービスの活用を地域包括支援センターと相談してください。
介護休業制度があっても、結局は社内の雰囲気で休みが取りやすいかどうか決まる側面もあります。どうしても環境を変えないと介護と仕事の両立ができない場合は、転職先のトップが介護離職を減らす宣言をしている会社を選んで転職しましょう。
【参考記事】40代で介護が始まったとき、介護離職すべきか?転職すべきか?
40代の転職に資格取得は有利に働くか?
40代の厳しい転職活動を乗り切るために、新たに資格取得する人がいます。40代に対してはポテンシャル採用ではなく、これまでのキャリアや経験、スキルが求められ、さらに即戦力を想定した採用を行います。それゆえ、新規に資格を取得したところで、資格を生かした業務経験がなければ、転職活動自体にメリットはありませんが、別のメリットがあります。
それは、眠っていた勉強意欲に火がつくことです。社会人になってから、勉強のためにしっかり机に向かった時間はどれくらいですか? 下手すると、大学を卒業してからずっと机に向かっていない、仕事が忙しくてそんな余裕がないという方もいると思います。
学生時代の暗記力や読解力は40代になった今、どの程度維持できているかを確認できます。場合によっては、自分の老いを感じてしまい落ち込む方もいますが、逆にまだまだいけると手応えを感じて、50代、60代に向けたセカンドキャリアの勉強を始めるきっかけになるかもしれません。
転職のための資格取得といった短期的な視点ではなく、人生100年時代を見据えた長期的な視点で資格を取得してみると、人生が充実してきます。そして、学生時代のやらされている勉強とは違って、40代以降は心の底から学びたいものを選んで勉強できるので、モチベーションが違います。
学習スイッチが入ったところで、いろいろ勉強してみた結果、今のキャリアやこれからのキャリアに直結するものがあるかもしれません。そういった勉強の仕方であれば、面接の際にもストーリーを持って資格勉強について話せますし、いかにも履歴書をよく見せるためだけの資格取得よりも評価は高くなります。
20代、30代のときは、年収アップにつながる資格取得を目指していた方もいると思います。しかし、40代以降はお金だけでなく、自分の人生を豊かにする資格や仕事は何なのかを考えてください。それを見つけるために、様々な勉強を実践することで、本当にやりたいことが見えてくるかもしれません。
【参考記事】40代からの転職は資格を取得すればうまくいくのか?
40代女性は転職のために資格取得すべきか?
出産や子育て等で長いブランクのある40代女性の場合は、資格取得が有効に働く場合もあります。40代女性が資格取得を目指して通信教育で勉強しているベスト5が、調剤薬局事務、医療事務、登録販売者、介護事務、食生活アドバイザーの順です。
ただ資格をやみくもに取得していくのではなく、資格の種類をまずは分類してみましょう。仕事上必須となる資格として、医師や看護師といった医療系資格、弁護士、司法書士、行政書士、一級建築士などの士業は、求人票でも資格必須と記載されています。
こうした資格があれば転職も容易ですが、資格がなくキャリアにも自信がない、ブランクがある人が転職を成功させるために民間資格を取得して、かえって自分の市場価値を落とす人がいます。特にIT系の資格は、市場価値のない民間資格を新たに取得すると、ビジネスに必要な資格の判断ができていないため、マイナスに評価される場合もあります。
40代女性が資格に挑戦するのなら、今までの経験やキャリアの延長である資格や、これまでの経験がプラスに働くような資格を狙って勉強するといいでしょう。履歴書や職務経歴書の体裁を整えるためだけに、資格を取得するのは得策ではありません。
40代という年齢からも、自分が本当に好きなことに関連する資格に挑戦すべきです。また、稼ぐためだけのライスワークではなく、生涯にわたって資格を生かせるライフワークになり得る資格取得がベストです。
やみくもに資格を取得するのではなく資格の種類を分類したあとで、自分の好きなこと、やりたいこと、生涯の仕事に直結するような市場価値のある資格を選んで挑戦してみましょう。
【参考記事】40代からでもできる女性の仕事や資格で最も大切なこと
40代女性が未経験で転職するための戦略
「未経験歓迎」「未経験OK」といった求人に、40代女性が応募した場合に転職は可能なのでしょうか?
業界、職種ともに未経験を前提とした場合でも、5つの戦略で転職活動を進めましょう。未経験をカバーするための資格取得は、繰り返しになりますが、転職市場にいるライバルと肩を並べるだけの武器にはなり得ません。それよりも、未経験でも転職しやすい職種を狙っていくべきです。
例えば、営業関連の仕事は、コミュニケーション能力や課題解決能力があれば未経験でも能力を発揮しやすい職種です。またニーズが高く、人材が不足している医療系、介護系、保育士なども転職しやすい職種と言えるでしょう。どの職種を目指すかによって、転職の難易度は大きく変化します。
正社員にこだわらない転職もひとつです。パートや契約社員でも、業務内容によっては業務経験が生き、次の転職の際に「未経験枠」と判断されないステップになる場合もあります。
職種も雇用形態もどうにもならない場合は、自身の人生経験を仕事につなげるストーリーを作ってみましょう。どんな仕事も、何かしらの人生経験とつながりがあります。子育て、PTA活動、地域の活動をプロジェクトに置き換えてみたとき、自分の役割や運営方針、リーダーシップなど、関わり方を思い出してみましょう。これらをストーリーにして、面接に臨むのも手です。
発想を転換して、自分で起業してみる方法もあるでしょう。全く歯が立たなかったら、キャリアコンサルタントに転職について相談する方法もあります。ハードルの高い転職活動になりますが、妥協し過ぎることなく、自分を見失わないでください。
40代女性の転職に大切な「つながり」
業界・職種ともに未経験で、資格取得や未経験枠への転職を考えている方も、20代・30代としっかりキャリアを積んできた方も、40代以降はシンプルに「つながり」を生かした転職を考える時期かもしれません。
40代になると、自分だけでなく元同僚や友人の環境も大きく変化しています。意外な企業、意外なポジションで働いていたなんてことは、よくある話です。そうした仲間以外にも、育児と仕事の両立やキャリアのブランクを理解する人事は増えているので、「つながり」を大切にした転職活動にも積極的に取り組んでみましょう。
「つながり」を具体化する転職として、次の項目で詳しく紹介するリファラル採用があります。企業側も全く知らない候補者から選ぶリスクを取るよりも、つながりから人材の情報を早めに得て、ミスマッチを減らそうと考えています。
下記参考記事では、主婦から学校給食の仕事、そして高級ホテルへの転職とステップアップした事例をご紹介しています。シンデレラストーリー的に思われるかもしれませんが、ひとつの仕事、ひとつのつながりが、次の仕事を運んでくる例はよくあります。
元同僚、元上司、友人や知人の中で仕事ができた人、あるいは仕事でまたご一緒したいと思った人はいませんか? あれこれ転職について考えたり相談したりするよりも、実は身近な知り合いという「つながり」をシンプルに活用するだけで、劇的に未来が開けるかもしれません。
【参考記事】40代女性の転職は「つながり」を生かしてハンデを克服する
40代の転職ならではの活動方法
リファラル採用とコネ採用の違い
リファラル採用とは、自社社員の友人や知人の紹介を通じて採用する方法で、コネや縁故採用と同義と思われがちですが全く違います。コネ採用にネガティブなイメージがあるのは、あるべきスキルや実力のない人が縁という力だけで入社していた時代があったからです。
リファラル採用では、こうした人材は採用されません。必要なスキル、実力があることが前提です。企業側としても、転職希望者の能力を書類選考や面接だけで見極めるのが困難ですし、採用まで時間がかかります。紹介する側の自社社員も、会社での信頼を落としたくないという力が働くので、しっかりした人材を紹介します。
こうしたたくさんのフィルタのおかげで、リファラル採用では優秀な人材が集まりやすくなります。また、リファラル採用で声を掛けてくれる人の社内評価が高いと、採用される確率も上がります。40代の転職は、驚くほど書類選考が通過しませんが、リファラル採用であれば、ほぼ間違いなく面接までたどりつくはずです。
メリットしかないと思われるリファラル採用にも、デメリットはあります。それは紹介してくれた元上司や友人・知人との関係です。関係性が薄く、あまり事前に会社の情報が得られないまま転職してしまうと、せっかくのリファラルの恩恵が受けられないだけでなく、紹介だからと退職しづらくなってしまいます。
なので、年収や年間休日などの待遇面、職場環境など、自分の納得いくまでしっかり情報収集しましょう。そしてリファラル採用の1番のデメリットは、先方のタイミングが優先されて転職活動がスタートしてしまうことです。
どんなに自分が転職したいと思っていても、そのタイミングでリファラル採用が行われていなければダメなので、今すぐではなく「いつか」転職するかもしれないという長期で考えておくといいかもしれません。
【参考記事】40代転職の成功率アップに活用したいリファラル採用
40代からの転職エージェント活用法
転職のプロである、転職エージェントに頼れば安心と考えるかもしれません。しかし、これほど玉石混交な世界はありません。
40代で特に注意すべき転職エージェントは、短期的な視点でしか考えないキャリアコンサルタントが担当になったときです。20代、30代であれば、紹介された企業がハズレであったとしてもやり直しがききます。しかし40代になると、求人数が激減しますし、なかなか内定がもらえません。
キャリアコンサルタントの立場で考えると、転職がすぐ決まる20代、30代を多く担当したほうが社内評価は上がりますし、会社の売上に直結します。残念ながら40代の転職希望者は、扱いづらい商品なのです。それでも、じっくり40代のキャリアと向き合って転職の相談に乗ってくれる、長期的な視点をもったキャリアコンサルタントもいます。
また、驚くほど情報量の少ないキャリアコンサルタントが担当になることがあります。転職エージェントの社内データベースに掲載されていることを、ただ伝えるだけの人です。大手転職エージェントのほうがデータベースが充実しているので、キャリアコンサルタント自体がハズレであっても、必然的に大手転職エージェントのほうが情報量には利があります。
転職する側からすると、ポジティブなこと、ネガティブなこと、何でもいいから希望する会社の情報を知りたいと思うのですが、その企業に候補者を送り込んだ経験がないコンサルタントや、実は全く畑違いの業種の担当だったなんてこともあります。
そうすると、大手の転職エージェントのほうがいいように思いますが、わたしは個人単位で判断すべきと思います。これまでの人脈やルートから、中小のエージェントにしかないお宝求人が見つかることもあります。
大小にかかわらず、自分と相性のいいキャリアコンサルタントを見つけることのほうが大切です。相性の悪い人と転職活動を続けるのは大変なので、良きパートナーを探してみてください。大手であれば、簡単に担当は替えられます。
【参考記事】40代が特に注意すべき転職エージェント活用の3つのポイント
40代が転職サイトを使うメリットとデメリット
転職エージェントへの登録は、それなりのキャリアがないとできません。20代、30代に比べると、登録は厳しいものになります。その場合、ライバルが多い転職サイトからの応募になります。40代おすすめの転職サイトランキングの記事の中には、アフィリエイトの成果報酬単価の高いものをランキング上位にしているものもあるため、必ずしも正しいとは言えません。
ただ、40代転職希望者が多く利用する大手の転職サイトはだいたい網羅されているので、ランキングは考えずに複数同時登録をしてみましょう。その他に職種特化型、業界特化型、外資系特化型、世代特化型の転職サイトにも、登録してみましょう。
転職サイトを使う場合、一部のハイクラス限定転職サイトを除き、エントリーは確実にできます。転職エージェントと大きく違う点はここです。但し、その分ライバルが増えます。わたしは転職サイト経由で応募してきた候補者の採用に関わった経験がありますが、あまりの応募者の多さに驚きました。
応募者をどうやって選考したかというと、決して求人票には書いていない、公表できない選考を自分の頭の中でだけ行います。例えば年齢による除外や、40代を超えるとあまり関係ないかもしれませんが、無意識のうちに学歴を見ていたかもしれません。
転職サイトは入口のハードルが低いため、なんとなく転職活動が進んでいる感じにはなりますが、実はライバルが多すぎるため勝ち抜けてないのです。まだ転職エージェントのほうが入口のハードルが高いため、そのあとの転職活動はラクに感じるはずです。
なので、まずは転職エージェントに登録してみましょう。自分という商品が転職市場でどれだけ価値があるかを見てもらって、それでもダメだったら転職サイトの複数登録という手順のほうが効率がいいです。
転職エージェントは、採用された企業から年収の何割かを報酬として得ます。それだけの売上が立つので、面接の日程調整、年収交渉、企業側に聞きづらい質問なども代理で対応してくれますが、転職サイトからの応募は自分でやらないといけません。
【参考記事】40代おすすめの転職サイトから応募するメリットとデメリット
40代で転職先が見つからないときの意外な対処法
転職サイトや転職エージェントを使って転職活動をしても、転職先が全く見つからない、仕事が決まらないこともあります。改めて自分のこれまでのキャリアやスキル不足に悩むものの、今さらどうしようもないと八方ふさがりになった方もいるでしょう。
自分を責めたくなりますが、実は外部環境のほうに問題があるケースもあります。例えば、面接官との相性がたまたま悪かった可能性はありませんか? 面接官は転職先では先輩に当たりますし、その会社では優秀かもしれません。しかし、面接官が自分よりも優れているかどうかは分からないのです。中には、あなたのキャリアに嫉妬する面接官もいます。
あるいは、景気がよくないのに、早く会社を辞めたいからとムリに転職活動を進めていませんか?どんなに優秀でも、景気が悪ければ希望する転職先の求人は減りますし、好景気のときほどうまくいきません。自分の問題ではないかもしれないのです。
40代で転職に成功する確率を少しでも上げるには、外部環境が万全であることも大切です。転職するタイミングを間違えると、ただでさえ年齢的に厳しいのに、さらに厳しい条件で転職活動しなければなりません。ベストなタイミングで転職する方法は、時間を味方につけることです。
1日でも早く会社を辞めたいと思っても、次の会社が決まる前に会社は辞めないようにしましょう。金銭的な余裕がなければ、目の前の内定を優先して転職活動してしまいます。余裕があれば、内定がなかなかもらえなくても、妥協した転職先を選ぶことはありません。
今から自分のキャリアやスキルを急に磨くことはできません。年齢も若返ることはできません。ならば、やみくもな転職活動ではなく、自分にとって最もいいタイミングを狙って、効率のいい転職活動をしましょう。そのためには、転職する気がなくとも、長期で情報収集しておいて、ベストなタイミングが来るのをひたすら待ちましょう。
【参考記事】40代で転職先が決まらない、仕事が見つからないときに必要な別の視点
40代転職で悩む人は本を頼ろう!
ネットやSNSの情報で解決できることが多い現代において、転職の悩みを本で解決しようと考える方は多くないかもしれません。
しかしあえて本を読んで、40代ならではの転職の悩みを解決することをお薦めします。理由は、本はコストパフォーマンスがとてもいいからです。わたし自身もこれまで5冊の本を書いた経験がありますが、書いてみて分かるのは本の情報は精度も濃度も高いです。
著者も出版社も本を出すからには、読者にとって有益な本を書こうと考えます。その本を製作するためには著者はもちろんのこと、編集者、校正、デザイナー、イラストレーターなど、限られたページの中でいかに分かりやすく、読みやすいものを追及するから情報の質も高まります。
ネット記事は無料のものが多いですが、本はどんなに高くても2000円程度で入手できます。転職して年収アップできると考えれば、2000円の出費は大した額ではありません。
また自分にはない考えや発想が著者から得られ、その考えが転職活動に大きく影響することだってあるのです。40代の転職であれば、いわゆる転職ノウハウが書いてある本で勉強するステージではないと思います。
むしろ40代からの働き方にはどんな選択肢があって、どんな考え方、どんな生き方があるのかを、本を通じて学んだほうが、セカンドキャリアがより充実したものになります。
下記参考記事では3冊の本をご紹介しています。どれも転職の王道ノウハウではないものばかりですが、40代の人が読むとこれまでの転職の悩みが解消するかもしれない本です。
しかも情報のインプットだけでなく、本を読んだ後にすぐ行動に移せるアウトプット重視の本を選書してみたので、ぜひ読んでご自身の転職の悩みを解決してみてください。
40代の転職を勝ち抜くための13の戦略は、自ら実践できるものです。しかし、転職活動では第三者にあなたの商品価値を冷静に評価してもらうことも必要です。CanWillのキャリアコンサルタントと話し合って、1度自分のキャリアの棚卸しをしてみてはいかがですか?
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