40代女性の転職はつながりを生かしてハンデを克服する

40代女性の転職はつながりを生かしてハンデを克服する

40代女性の転職事情を調べると、

  • 40歳以上は求人数が激減して、転職活動が厳しくなる
  • 40代男性より、40代女性のほうが転職はさらに厳しくなる
  • 子育てに専念し、キャリアにブランクのある40代の専業主婦は大きなハンデを背負う

ネット上で転職活動をしていると、ネガティブな情報ばかりが目に入ってしまい、リアルな転職活動がしづらくなります。40代女性の転職の難しさを語るネット記事を読むのも大切ですが、リアルな社会でどう転職に挑むかについて考えていきます。

40歳からの女性の転職は資格取得が本当に近道なのか?

「子育て等でブランク期間が長い40代女性は、資格取得を目指したほうがいい」

ワーキングマザーやキャリアを積み上げてきた40代女性と比べれば、確かに仕事のブランクはハンデになるかもしれません。だからといって、今から勉強して資格を取得したところで、他の転職希望者と肩を並べることはできません。

いくら机上で勉強しても、実践でキャリアを積んだ人にはかないません。履歴書や職務経歴書の資格欄を埋められるようにはなりますが、介護のような資格を生かした仕事でなければ、大きな強みにはなりません。

また、資格取得が「内定をもらうためだけの」手段になっていないでしょうか? 50代、60代になってもその資格を生かしたいと考えるのならいいのですが、その場しのぎでは長続きしませんし、次の転職にも生かされません。

40歳を過ぎた女性が、仕事を得るのは難しいのでしょうか?

NHK『逆転人生』に登場した47歳専業主婦の転職

NHKで放送されていた『逆転人生』を、ご覧になったことはありますか?

番組に登場した薄井シンシアさんは、当時47歳。子育てに専念しつつ、PTAを10年以上経験する専業主婦の道をまい進したわけですが、娘の独り立ちとともに、燃え尽きてしまった自分に気づきます。

47歳主婦でも、何かできることはないだろうか? と考えていた薄井さんに声を掛けたのは、娘の母校でした。PTAでの仕事ぶりを見て、食堂の仕事をオファーされたのです。専業主婦の経験を生かして、メニューの改善や食材ロスを減らして、食堂のムダを改善していきました。

そこから、電話受付、高級ホテル、大手飲料メーカーと転職に成功し、前向きな熟年離婚も経験されています。40代女性が勇気をもらえる、転職の実例です。

40代女性の転職「仕事が次の仕事を運んでくる」

40代女性の最初の転職は、かなり苦労するかもしれません。しかし、薄井さんのようにひとつの仕事がきっかけで、次の仕事へと広がっていく可能性もあります。学校給食の仕事から、高級ホテルへの転職は出来すぎかもしれませんが、「仕事が次の仕事を運んでくる」ケースはよくあります。

一緒に仕事をしていて、「この人仕事ができるな」とか「あの人とまたご一緒したい」と思ったことありませんか? スキルやキャリアはもちろん大切ですが、40代からの転職は「人のつながり」も大切です。

昔はコネ採用というと、ネガティブなイメージを持ったものです。しかし今はリファラル採用といって、自社の社員に友人や知人を紹介してもらう採用も増えています。会社としても、イチかバチかの面接で採用するよりも、知っている人の紹介のほうがリスクが減ります。応募する側も事前に会社のことが分かるので、ミスマッチが減ります。

40代になって、自分自身の人生が大きく変化しているように、昔の同僚や友人も変化しています。そうしたつながりは、転職のハンデを克服する武器になります。企業人事に女性はたくさんいて、子育ての大変さや家事の難しさを理解してくださる方は必ずいるので、前向きに転職活動に取り組みましょう。

子育て中の40代女性の転職

昔と比べて晩婚化、晩産化が進んでいるため、子どもがまだ小さい子育て中の40代女性はたくさんいます。

育児・介護休業法が改正され、男性従業員の育児休業取得率の向上や出産育児を機に離職する従業員を減らす取組みなど、働きやすい職場環境作りの流れは醸成されつつあります。

一方で保育園への送り迎えを気にする人事や現場社員がまだまだいるのも事実ですし、いくら法律が改正されても休みが取りづらい職場であれば、特に転職直後のタイミングでは休みや時短を切り出しにくいのも事実です。

また転職先の条件として時短勤務を希望し、リモートワークでならフルタイムで働ける方でも、転職先の企業がどの程度リモートワークが浸透しているのかまでは分からないこともあり、転職活動は簡単ではありません。

子育て中の40代女性が転職する場合、自分の生活環境よりも勤務先の働き方を優先して内定をもらおうとするのではなく、あくまで自分の生活を守ったうえで転職活動をしましょう。子育てが大変な時期は会社側に配慮してもらいつつ、落ち着いたらフルタイムで勤務できるといった選択肢もあるかもしれません。

入社直後の時短勤務を認めてくれない会社もありますが、一方で子育て中の女性を積極的に採用するスタートアップ企業や中小企業があるのも事実です。

子育てと転職活動の両立は骨が折れます。また40代という年齢からくる転職活動の厳しさもあります。転職サイトや転職エージェント、そしてこの記事で紹介したリファラル採用などのつながりを使って、並行した転職活動しましょう。

短期間で転職先を見つけようと思わずに、長期戦で考えて転職活動すると負荷を減らせます。長期戦で転職活動をするためには、それに耐え得るだけの収入がないといけません。また夫の理解や協力も、体力のいる転職活動には必要です。

CanWillとは

『Can Will』では、第一線のキャリアコンサルタントが、ミドル・シニア世代のあなたの強みや志向を掘り下げて、納得感の高いキャリア相談を行っています。 「転職すべきか、今の会社で働き続けるべきか?」、「自分の強みが分からない」、「職務経歴書の書き方が分からない」、「自分の市場価値について客観的な評価ほしい」。 このようなキャリアに対するお悩みやモヤモヤがありましたら、ぜひ一度『Can Will』のキャリアプロフェッショナルにご相談ください。