転職でキャリアチェンジする3つのメリット
未経験の業種や職種へ仕事を変えることを、キャリアチェンジと言います。
社内でもキャリアチェンジは可能ですが、今回は転職でキャリアチェンジする3つのメリットと少し遅めの40代でキャリアチェンジをした場合のメリットについてご紹介します。
メリット1:キャリアを活かした多角的な目線で仕事ができる
人事畑を歩んで20年の人材は、人事のスペシャリストとして転職市場で重宝されるかもしれません。しかし、キャリアチェンジを経験した人のほうが、他部門の仕事の役割や苦労まで察して、動けるメリットがあります。
例えばある商品を大量受注したときに、営業が得意先とどういう交渉して仕事を獲得したのか、マーケティング部門がやっているプロモーション活動はどんなものか、商品開発部門はどれだけ試作を繰り返して完成させたのかまで理解できます。
こうした多角的な目線は、社内だけでなくクライアントのためにもなります。例えばシステム導入を行う際、クライアントから様々なリクエストがあったとします。もしプログラミングの経験があれば、営業やコンサルタントとしてクライアントと要件を決定する際に、リクエストが技術的に可能かどうかすぐに判断できます。
クライアントから言われるがまま仕事を請け負ってしまい、社内に持ち帰ってできないと判断されると、最終的にはクライアントからの信頼まで失うことになります。多角的な目線で仕事ができる人は、いろいろと重宝されるのです。
メリット2:キャリアアップの成長スピードが加速する
ひとつの業種や職種で長く働き続けているとキャリアアップにつながりますが、見方を変えればコンフォートゾーンで仕事しているとも言えます。コンフォートゾーンとは、これまで積み上げてきた信頼関係、人とのつながり、過去の実績を活用しながら、居心地のいい場所で仕事をすることです。
キャリアチェンジを伴った転職では、これまでの信頼関係も人のつながりも、ましてや自分のキャリアやスキルまでもが財産として使えない時期がやってきます。全く新しい環境で働くわけですから、最初は分からないことだらけで仕事についていけなくて苦労します。しかし、周りについていこうと努力を重ね、驚くべきスピードでスキルや経験を身に付け、キャリアアップしていきます。
転職して職場環境が変わるだけでも同じような経験ができますが、キャリアチェンジはそれ以上に自分の成長スピードを加速させます。
メリット3:転職により天職と出会える可能性がある
キャリアチェンジをして初めて、天職に出会える可能性があります。
自分にとってどの仕事が天職なのかは、体験して比較してみないと分かりません。バックオフィスでキャリアアップを目指していた人が、キャリアチェンジして営業の仕事に出会い、多くの人と触れ合う仕事のほうが天職だったと気づく人もいます。
自分は営業よりマーケティングに向いている、ルーティーンの多い仕事よりも新規事業や商品開発のようなクリエイティビティの高い仕事が向いている、管理職になるよりも専門職のままでキャリアアップするほうが自分には合っているなど、職業適性を持っていると思います。しかし本当の職業適性は、キャリアチェンジして本格的に仕事をしてみないと分からないものです。
40代からのキャリアチェンジをポジティブに考える
40代になるとキャリアチェンジが能動的ではなく、会社からの指示で行われるケースもあります。事業の見直しによって、今後成長が見込まれる事業への配置転換が行われたり、事業の撤退によって別の部署への異動を命じられたりするなど、予定していなかったタイミングで突然キャリアチェンジさせられるのです。
能動的ではないキャリアチェンジの場合、仕事に対するモチベーションの維持に苦労します。全く希望していない、慣れない部署への異動で困惑するケースもあるからです。中には希望しないキャリアチェンジをきっかけに転職を考えたり、会社を退職したりする人もいます。
しかし上記の3つのポイントで考えれば、自らのキャリアアップのチャンスとも言えます。キャリアチェンジすることによって、自らの成長スピードが加速したり、本当に自分のやりたかったことに出会えたりする可能性もあるからです。
これまでの実績が会社から認められていないとがっかりするのではなく、40代以降のセカンドキャリア探しにもつながるので、会社から言われたキャリアチェンジをネガティブなものとして捉えず、ポジティブなものとして自分の仕事に生かしていきましょう。
キャリアチェンジの3つのメリットをご紹介しましたが、そもそもキャリアチェンジを伴った転職自体が難しいと思われているかもしれません。なぜなら転職先からは今までのスキルを生かして転職して欲しいと言われるケースのほうが、圧倒的に多いからです。
しかしキャリアチェンジといっても、これまでの経験やスキルが完全にリセットされるわけではありません。例えばパソコンスキルや英語など語学力、プレゼンテーション能力、得意先との交渉術など、共通して使えるスキルはたくさんあります。マネジメントであれば職種や業種に関係なく、チームビルディングスキルは使えます。
業種や職種は違っていても、共通して使えるスキルはたくさんあります。専門用語など分からない知識さえ習得してしまえば、あとはベーシックなスキルがどれだけあるかの勝負とも言えるので、最初は大変ですが時間が解決してくれます。これまでのスキルを活用しつつ、自分の天職を見つけるためのキャリアチェンジにチャレンジしてみてください。