仕事を辞めたあとに必要な手続きと仕事を辞める前にしておいたほうがよいこと

仕事を辞めたあとに必要な手続きと仕事を辞める前にしておいたほうがよいこと

仕事を辞めたあとには、保険や税金にかかわるさまざまな手続きを行う必要があります。

しかし、これまでに退職後の手続きを行った経験がなく、「いつまでに何をしたらよいか分からない」と戸惑ってしまう方もいると思います。

短期間で複数の手続きを終わらせなければならないため、どのような手続きが必要で、いつまでに行わなければならないかをきちんと把握しておくことが大切です。この記事では、仕事を辞めたあとに必要な手続きと退職後の流れについて解説します。

会社を辞めた際に必要な手続き

手続き関連の手帳

会社を辞めた際に必要な手続きは複数あります。各手続きには期限や順番があるため、事前に確認して計画的に行うことが重要です。ここでは、退職後の手続きを5つピックアップして説明します。

①住民税の支払い

退職後は住民税の納税を個人で行う必要があります。特別徴収として会社を通して住民税を支払っていた場合、退職後は普通徴収に切り替わります。

ただし、退職時期が1月1日~5月末の場合、住民税を自身で支払うための手続きは不要です。1月1日~5月末に退職する場合、未納分の住民税は退職した月の給与や退職金から一括で徴収されます。

一方、退職時期が6月1日~12月末の場合は、住民税の支払い方法を選択します。一括徴収を希望する場合は、会社に希望を伝えることで給料や退職金から支払っていない住民税を差し引いてもらうことが可能です。一括徴収を希望しない場合は、市区町村役場から届く住民税の納付書の記載に従って支払いましょう。

出典:総務省『住民税の支払いをお忘れなく!

②雇用保険の申請

退職後、再就職先が決まっていない場合は、雇用保険の申請をしましょう。雇用保険の一般被保険者に対する求職者給付(基本手当)を受け取るためには、以下に挙げる条件を満たしている必要があります。

  • 自己都合で退職の場合:離職前2年間に被保険者期間が12ヶ月以上あること
  • 会社都合で退職の場合:離職前1年間に被保険者期間が6ヶ月以上あること

会社都合による退職の場合、求職の申し込みを行った日から数えて8日目から求職者給付の受給が可能です。一方、自己都合による退職の場合は、求職の申し込みを行ってから2~3ヶ月が経過したのちに給付されます。

出典:厚生労働省『離職されたみなさまへ

③年金種別の切り替え

年金種別の切り替え手続きは、退職後の身の振り方によって異なります。すぐに次の会社で働き始める場合は、基礎年金番号またはマイナンバーを転職先の会社に伝えれば、会社が手続きを行ってくれるため、自身で手続きする必要はありません。

一方、個人事業主やフリーランスとして独立する場合は、厚生年金から国民年金への切り替え手続きが必要です。年金手帳や基礎年金番号通知書、退職証明書などの必要書類を年金事務所に提出して、切り替えてもらいます。この切り替え手続きは、退職日の翌日から14日以内に行う必要があります。

なお、退職後に配偶者の扶養に入る場合は、配偶者の勤務先を通して申請手続きを行います。この場合、被扶養者に該当する日から5日以内に手続きを行う必要があります。

健康保険の継続・加入

会社を退職する際には、健康保険証を勤め先の会社に返却する必要があります。退職した翌日から、健康保険(社会保険)の被保険者資格が喪失します。

退職後は、以下3つのうちいずれかの手続きが必要です。

選択肢

手続き期限

1. 健康保険の任意継続 一定の条件を満たしていれば最長2年間は全額自己負担で継続可能

退職日の翌日から20日以内の手続きが必要

2. 国民健康保険への切り替え 退職日の翌日から14日以内の手続きが必要
3. 被扶養者加入 年収130万円未満が条件

退職日の翌日から5日以内の手続きが必要

なお、もしもあなたが60歳以上のシニア世代の場合、被扶養者加入の条件は年収180万円未満です。自身の状況に応じて選択し、適切な手続きを行いましょう。

⑤確定申告

年の途中で退職した場合、年内に再就職の予定がない場合は年末調整がありません。そのため、もしもあなたが税金を余分に納めた場合、税金の還付が受けられません。

納めすぎている所得税や復興特別所得税は、翌年以降に確定申告を行うことで還付を受けられます。申告は、退職した翌年以降5年以内であれば行えますが、必要な書類が揃い次第、できるだけ早めに申告することをおすすめします。

出典:国税庁『No.1910 中途退職で年末調整を受けていないとき

仕事を辞めたら受け取る書類

雇用保険被保険者証

先述したように、会社を辞めたあとには、さまざまな手続きが必要です。手続きに必要な書類は。自身で用意できるものもありますが、前職の職場から受け取っておかなければならない書類もあります。

会社を退職する際に必ず受け取っておかなくてはならない書類は、以下のとおりです。

書類 概要
 雇用保険被保険者証 雇用保険加入者であることを証明する書類

転職する場合は新たな勤め先に提出する

年金手帳 公的年金制度に加入していることを証明する書類

転職する場合は新たな勤め先に提出する

源泉徴収票 確定申告に必要な書類

退職した年内に転職する場合は新たな勤め先に提出する

離職票 転職先が決まっている場合は必要ない

仕事を辞める前にしておいたほうがよいこと

きちんとした計画を立てずに仕事を辞めてしまうと、金銭面や生活面で思い悩んでしまう可能性もあると考えられます。ここからは、仕事を辞める前にしておいたほうがよいことを2つ紹介します。

会社を辞める際は計画性が重要です。特に、30~50代の方の場合、若手社員に比べて重要な役割を担っていることも多いと思います。あなたが会社を辞めたあとに社内が混乱しないように、退職を伝えるタイミングや業務の引継ぎなど、先々のスケジュールを組んでおくことが大切です。

退職後のあなた自身の生活についても計画を立てておくことをおすすめします。転職したり、起業したり、働き詰めだった生活から解放されて休息する時間を設けたりと、さまざまな選択肢を検討してみましょう。

もしもあなたが転職を考えている場合は、転職活動をいつから始めるかを決めておくことをおすすめします。今の仕事と並行しながら転職活動を進めるのもよいですし、退職して時間を自由に活用できるようになってから開始する選択肢もあります。

また、転職活動を自分だけで進めるのが不安な場合は、転職エージェントや転職アドバイザーに相談してみるのも一案です。転職先の選び方や今後のキャリアプランなどをはじめ、転職にかかわるさまざまな悩みについてアドバイスを受けられるため、不安を緩和しながら転職活動に臨みやすくなります。

会社を辞めたあとの選択肢に悩んだらCanWillへ

仕事を辞めたあとは、転職や起業、休息など、その後の選択肢に合わせた手続きが必要です。各手続きの申請や切り替えに必要な書類や期限を確認して、計画的に手続きを進めましょう。

また、退職後にあなたが何をしたいのか、退職後の生活を営むうえで金銭的な余裕があるのかなどを現実的に考えたうえで仕事を辞めることを判断することが重要です。

30~50代で、自身が置かれている状況を客観的に判断するのが難しい方や、プロの意見を聞いてから今後のキャリアプランを決めたい方などは、ミドル・シニア世代のための「キャリアの不安」相談サービス『CanWill』に相談するのがおすすめです。

経験豊富なアドバイザーが退職後の選択肢や転職先の選び方など、あなたのキャリアプランについて親身になって相談に乗り、的確にアドバイスします。今の仕事を辞めて新しいことに挑戦したい方、今後のキャリアプランでお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

CanWillとは

『Can Will』では、第一線のキャリアコンサルタントが、ミドル・シニア世代のあなたの強みや志向を掘り下げて、納得感の高いキャリア相談を行っています。 「転職すべきか、今の会社で働き続けるべきか?」、「自分の強みが分からない」、「職務経歴書の書き方が分からない」、「自分の市場価値について客観的な評価ほしい」。 このようなキャリアに対するお悩みやモヤモヤがありましたら、ぜひ一度『Can Will』のキャリアプロフェッショナルにご相談ください。