ベンチャー企業へ転職するメリット・デメリット
スタートアップ企業へ転職するときに注意したい4つのポイントの記事で、スタートアップ企業とベンチャー企業の違いを解説しました。転職先の会社が今どのステージにいるのかを理解しないまま入社する方が意外といるので、まずはその話から始めていきたいと思います。
ベンチャー企業とは?
ベンチャー企業とは新しい技術や独自のビジネスモデルなどで事業を立ち上げ、その後急成長を目指す新興企業です。企業によってかなり違いはありますが、スタートアップよりも組織は整備されていますし、成長速度はゆっくりです。しかし成熟した大企業を経験している人から見ると、ベンチャー企業のビジネスはどんどん変化しますしスピード感もあります。
さらに人的リソースが不足しているので、誰かに仕事を任せるのではなく常に自走できる人材が求められます。裁量権を多く与えられ、何かを生み出す仕事に楽しさを感じられるかどうかも仕事上の重要なポイントになります。大企業のように業務や役割が細分化されていてその中で仕事をするのとは違って、垣根があるようでない部分がたくさんあります。
またベンチャー企業は成果が上げやすい一方で、会社の業績が伴わないと給料に反映されるまでタイムラグがある場合もあります。腐ることなく、モチベーションを保てるかも重要なポイントです。
経営者の近くで働ける
ベンチャー企業の特徴として、会社のトップと距離が近くなります。それゆえ待遇面よりも経営者のそばで仕事をして、自分を成長させるチャンスを求めて転職する人もいます。
会社の知名度や年収、社会的ステータスを転職の優先順位の上位にするのなら、ベンチャーではなく大企業を目指したほうがいいです。自分のキャリアを長期で考えたときに、多少厳しい環境に身を置いても自分を成長させたい、今後の自分のためにプラスになると考えられる気持ちが必要です。
40代を必要とするベンチャー企業もある
ベンチャー企業への転職は20代や30代の若手中心と思われがちですが、40代を必要としている会社も多くあります。若手の人材育成、まとまりのない組織のマネジメント、業務の効率化、新しい取引先の開拓など、ベンチャーならではの課題も多く存在しています。
大企業で40代になり、50代以降のキャリアアップが見通せなくなったり、自分の理想よりも裁量権が与えられなかったり、管理職に昇進してしまって現場の仕事ができなくなってしまったりしたとき、ベンチャー企業への転職を選択肢のひとつに加えてみるといいです。
ベンチャー企業の抱える課題をこれまでのキャリアやスキルを使って解決できれば、年齢に関係なく活躍できます。しかし福利厚生や年間休日、ポジションや年収、会社の知名度などのプライオリティが高い40代には、ベンチャー企業への転職は難しいでしょう。会社の看板ではなく、仕事自体を純粋に楽しめる姿勢がないと長く働けません。
また40代で独立を考えたものの自分のやりたいことがない見つからない人も、ベンチャー企業へ転職してみて自分のやりたい仕事を見つけるきっかけにするといいかもしれません。
ベンチャー企業への転職で後悔しないために
ベンチャー企業に転職するのだから、これくらいのことは覚悟できたうえで転職すると思います。それでも転職に失敗した、後悔したと感じてしまうのはなぜでしょう?
まずネガティブな理由で転職活動を始めると、後悔しやすいかもしれません。前の会社の待遇がよくなかった、人間関係が折り合わなかった、長期で転職活動をしてきたけど、なかなか転職先が見つからずに大手企業を諦めたうえで、なんとかベンチャー企業に拾ってもらえたなどが理由になると、転職に失敗したと感じやすいかもしれません。
また40代で転職活動に行き詰まり、大手の転職先が見つからなかったからやむを得ずベンチャー企業を選択せざるを得なかった人も同じように、転職に失敗したと思いがちです。
ベンチャー企業への転職を後悔しないためには、自分のキャリアアップにどう生かすかを考えておかなければなりません。それがないと給料が下がった、休みが少なくてつらいなど、どんどんネガティブな理由ばかり湧いてきて早期の退職につながってしまいます。
再度40代で転職活動を始めても、また希望する転職先が見つからないループに陥ってしまい長期間のブランクが生まれ、さらに仕事が見つからないケースもあります。
あるいは、思ってた以上に会社自体が成長しなかったケースもあります。最近CMやSNSなどでよく目にする会社だし、上場を目指していると面接で言われたから転職したのに、会社の成長も自分の成長も望んでいたものとは違ったというケースもあります。ベンチャー企業の怖いところは、こういうところにもあります。
こうしたベンチャー企業のメリット・デメリットを考えないまま転職すると、後悔につながります。自分の職業適性を考えたときに、既存のビジネスをマネジメントするほうが向いている人もいれば、常に新しいことにチャレンジするほうが楽しいと思う人もいます。
ベンチャー企業の特徴、自分の職業適性、さらにキャリアデザインまで考えたときに、ベンチャー企業でのキャリアが自分にとって役に立つかどうかを考えて転職すべきです。
圧倒的なスピード感や、多くの裁量権を与えられて、セクショナリズムに関係なく自由に仕事ができるメリットもあります。大人数の中で人間関係に苦しむのではなく、少人数で仕事にまい進できる喜びもあります。こうしたメリットを理解したうえで、ベンチャー企業に転職しましょう。