管理職の求人は転職サイトや転職エージェントでは見つからない?
管理職の転職は、一般社員と違って何か特別な方法があると思われるかもしれません。
管理職も、転職サイトや転職エージェントを使った転職が可能です。ただ管理職の求人数が求人全体の2割とも言われているので、紹介数が少ないと感じるかもしれません。また管理職になる30代後半、40代、50代になれば、そもそも転職の求人数自体が減ってくるので、さらに少なく感じるのかもしれません。
だからといって、昇進しないまま年齢を重ねたほうが転職に有利に働くわけではなく、管理職の経験があったほうが転職活動はしやすくなります。よほどのスペシャリストでない限り、40代になっても管理職に昇進できなかったということはスキルやキャリア不足の人材と企業側から判断されてしまうかもしれません。
管理職の役割は時代によってどんどん変化していて、プレーヤーとマネージャーを兼務するプレイングマネージャーが増えています。少ない人数や人件費で会社を効率よく運営していくために、こうした方法が取られます。
一昔前まで管理職と言えば部下の育成や管理が仕事でしたが、今は部下のモチベーションを引き出しリーダーシップを発揮しながら、チームをまとめていくのが管理職の仕事です。
さらに、管理職はコンプライアンスやモラルまで求められる時代です。残業をいとわない部下を評価するのではなく、就業時間内でしっかり終わらせる勤怠管理、指示通りに動く部下を育成するのではなく、自らが考えて行動する自走型の部下の育成を求められますし、トップダウンばかりではなくボトムアップも重視しなくてはなりません。
管理職の転職サイト利用はオススメしない
転職サイトで管理職の求人を検索すれば、見つかります。エントリーしてもいいのですが、管理職は職責が広く業務時間後の転職活動の時間を十分に確保できない場合があります。また転職サイトからのエントリーはライバルが多いので、なかなか面接にたどりつけなかったり、企業側との面接アポや年収交渉に時間を取られたりなど、現業と転職活動の両立で苦労します。
転職サイトを使った転職は可能ですが、時間を取られるという意味であまりオススメはしませんし、業務に影響すれば部下に気づかれて、上司の裏切りにあったとモチベーションを下げる人もいるので注意してください。
管理職の転職エージェント利用はオススメ
転職エージェントを使えば企業側との面接アポや年収交渉までやってもらえるので、既存の業務と転職活動の両立が可能です。管理職であれば、これまでのスキルやキャリアも十分評価される可能性が高いので、転職エージェント登録時に断られる可能性は低いと思います。転職エージェントに登録できなければ、転職サイトを使わざるを得ません。
組織を束ねる、リーダーシップを発揮するなど、マネジメントスキルは業界を問わず求められる共通のスキルです。管理職になってからの転職は、転職エージェントを軸に活動したほうがいいと思います。
但し40代以上になると、転職エージェントに登録できる人はこれまでの実績も能力も高くて、ポジションも管理職以上になっているケースが多いです。転職サイトより効率よく転職活動ができる反面、同じ時期に転職エージェントに登録しているライバルの管理職との戦いが始まります。
同じ管理職でも何かスキルに秀でたものや著しい実績、転職先の求める要件と合致しているなどがないと、転職エージェント内の争いに負けてしまうかもしれません。
管理職の転職を2度経験して思うこと
わたしは管理職の転職を2度経験しています。1度目は30代半ばに、リクナビNEXT(転職サイト)を使って転職をしました。この時に転職エージェントも同時に使って、2社から内定をもらいました。40歳の2度目の転職は、元上司からのヘッドハンティングでした。
転職サイトや転職エージェント以外のルートとして、ヘッドハンティングによる転職が多くあります。ヘッドハンターから突然連絡があったり、わたしのように元上司、元同僚などから声がかかったりするリファラル採用も増えてきます。
管理職は社内社外で関わる人間が増えるので、良くも悪くも仕事ぶりをたくさんの人に見られます。パフォーマンスがよければ、他社に転職したメンバーから、うちの会社でもマネージャーやってよと声がかかることはよくあります。
特に40代以上になったら、転職サイトや転職エージェントで探すよりもリファラル採用の道で転職先を探したほうが効率よく転職できます。声を掛けてくれる元上司や元同僚も、仕事上のパフォーマンスをしっかり出せる人にしか声を掛けません。
仲が良かったからだけでは自分の会社での評判に傷がついてしまうので、リファラルで声を掛けてもらえる=これまでの仕事の進め方や実績を評価されていると考えてもいいかもしれません。
40代以上は年収も高いので、転職サイトなどで応募してきた人を採用して失敗すると会社のダメージも大きくなります。だからリファラルで採用したほうがコストパフォーマンス的にも、会社のためにもメリットがあるのです。
リファラル=コネ入社と考えるのではなく、仕事や人間的に信頼を勝ち得たからこそのリファラル採用と考えるべきで、友達に「会社に入れてよ」と相談して入社できるほど甘い世界ではありません。これまでの仕事の実績があって認められていれば、入社はスムーズです。
これまでの人間関係をリセットして新天地で頑張りたいと考えるのなら転職エージェントを利用し、できるだけ早く新しい職場で頑張りたいと考えるならリファラル採用を活用してみましょう。