キャリアパスとは? 40代・50代におけるキャリアパスの重要性や描き方を解説

キャリアパスとは? 40代・50代におけるキャリアパスの重要性や描き方を解説

キャリアパスは、キャリア形成において重要な役割を担う一つです。自分自身がどのような方向へ進むべきかを示す重要なガイドラインであり、キャリア形成を図るためには欠かせない要素です。

“キャリア”という言葉はビジネスシーンで幾度となく登場しますが、それぞれが何を意味しているのかを理解することで、さらなる自己成長につなげられます。

そこで、本記事では40代・50代のミドル世代に向けてキャリアパスの基本的な知識や重要性、キャリアパスの描き方について解説します。

 

キャリアパスとは

キャリアパスとは、企業内での自分の目標を決め、それに向かって進むための道筋を意味します。英語でキャリア(Career)は“経歴”、パス(Path)は“道筋”という意味します。

具体的には、課長や部長への昇進や専門分野への異動といった社内で自分自身が目指したい職務やポストを設定し、その目標を実現するために『どのくらいの期間』『どの職種や業務を経験』し、『どのようなスキルを身につけるべきか』を明確にします。つまり、職歴を構築するためのガイドラインといえます。

キャリアパスには、短期目標から長期目標まで幅広い要素が含まれます。現在の職務だけでなく、将来的なキャリアの方向性を示すことで、キャリア戦略の一部として大きな役割を果たします。

 

キャリアプラン・キャリアアップ・キャリアデザインとの違い

キャリアプラン、キャリアアップ、キャリアデザインは、いずれも経歴に関する概念です。それぞれ異なるアプローチと側面を持っています。

▼キャリアパス・キャリアプラン・キャリアアップ・キャリアデザインの違い

項目 特徴
キャリアパス 企業内で目標とする役職や職歴を決め、それに向かって進むための道筋のこと
キャリアプラン 仕事のうえで設定した目標に向けた具体的な行動計画のこと
キャリアアップ より高い資格や能力、専門的な知識などを身につけて、経歴を高めること
キャリアデザイン 仕事を含む人生の目標や理想像を決め、それを実現するためのプロセスを設定すること

キャリアプラン、キャリアアップ、キャリアデザインの概念は以下のとおりです。

  • キャリアプラン
    自分の将来の姿をイメージし、それを実現するために計画を立てることを意味します。企業内での成長を目指すキャリアパスに対して、キャリアプランはキャリア形成全体の領域で、転職や起業も含まれます。
  • キャリアアップ
    現在の職務より責任のある地位に昇進することを指します。成長や昇進全体に焦点を当てており、専門性を高めることや仕事の幅を広げることを目指すため、転職や起業につながる場合もあります。
  • キャリアデザイン
    仕事に限らず自分自身の理想的な人生を実現するために設計することを意味します。これには夢や理想の追求も含まれており、長期的なビジョンを持って自己発展を図ります。

なお、これらの記事でキャリアプラン・キャリアアップ・キャリアデザインについて解説していますので、ぜひご確認ください。

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40代・50代がキャリアパスを描く重要性

40代・50代がキャリアパスを描くことは、若い年代がキャリアパスを描くこととは異なる意味合いを持ちます。長い職場生活において自分が培ってきた知識とスキルは、いわば大切な“資産”です。もう一度、自分自身の市場価値を見直し、自分の資産をどのように活かすかを再考する作業です。20代の新卒採用時とは違った将来像が見えてくるかもしれません。

40代・50代がキャリアパスを描くことの重要性は、職業的な成功のみならず自己成長や充実感、経済的な安定などあらゆる面において関わってきます。ここからは、具体的に4つの点に絞ってキャリアパスの重要性を解説します。

1.組織で役割を再構築できる

長年の経験と知識を積んだ40代・50代にとって、キャリアパスを描くことはとても重要です。自分の役割を再評価し、キャリアの方向性を軌道修正するのに役立ちます。

同時に、キャリアパスはもう一度キャリアについて考えるきっかけになり、将来に向けての戦略を練るためのより良いプロセスです。新たな役割や責務を担うことで、業務の効率化や生産性の向上も図ることができます。企業内での立ち位置が変われば、新たなスキルの習得や成長の機会が広がり、新しい職務やプロジェクトに参加することも可能となります。

こちらの記事では、40代の管理職にどのような役割が求められているかを解説しています。併せてご確認ください。

40代管理職に求められる役割と仕事内容の変化とは?

2.モチベーションアップにつながる

20代からの切磋琢磨した成長期を超えると、40代・50代で安定期や停滞期を迎える場合があります。業務内容やポジションに変化のない状態が続くと、モチベーションの低下や仕事に対する興味が減退してしまうこともあります。

このような時期に、新たなキャリアパスを描くことは非常に重要です。自分自身の将来像を再度見直し、それを実現するためにやるべきことが明確になると、ゴールに近づく実感や日々の業務への意欲が生まれ、モチベーションアップにつながります。

3.転職の判断材料になる

自分自身を客観的に分析できることも、キャリアパスのメリットの一つです。将来のあるべき姿を再考することで、俯瞰的に自分自身をとらえることができます。そして、現在の職場環境との相違が見られる場合には、選択肢の一つとして転職の道に進むことも考えられます。

転職活動時にもキャリアパスは大いに役立ちます。自己分析や目標設定により、転職の必要性やどのような職種、職場環境を追求すべきかを把握できます。自分自身の進むべき方向性が明らかになれば、転職先を選ぶ際の判断基準がブレることもありません。

こちらの記事では、40代以降のキャリアパスについて解説しています。併せてご一読ください。

今後のキャリアパスは? 市場価値を高めて40代でキャリア転職する方法

4.転職後のミスマッチを防ぐ

転職先の選考プロセスに誤りがあると、転職先でのミスマッチが生じる可能性があります。しかし、キャリアパスを描いておくと、自分が描いたキャリアパスと企業の方針を照らし合わせることで、転職先の選考プロセスも容易になり、転職後のミスマッチのリスクを軽減できます。

 

キャリアパスの描き方

理想とする将来像を実現するためには、押さえておきたいポイントをつかむことが重要です。ここでは、キャリアパスの具体的な描き方について説明します。

1.5年後・定年後の目標を具体的に設定する

キャリアパスを描くうえで、将来の目標や方向性の設定は自分自身の行動の基盤につながります。しかし、ゴールが見えないまま挑戦し続けると「このまま続けても大丈夫だろうか」と不安や諦めが生じる可能性があります。

目標を実現させるためには、5年後や定年後にどのポジションにいたいのか、どのような成果を達成したいのかを時間軸で考えることも必要です。例えば、「5年後には部門のリーダーに昇進する」「定年後には起業家として独立する」というように、具体的な目標を設定しましょう。

こちらの記事では、定年後の人生や働き方について解説しています。ぜひご覧ください。

定年後の人生を楽しむために今からやるべき3つのこと

2.自身の経験・強みを洗い出す

過去の業務やプロジェクトで得たスキルや知識などを洗い出し、自分の強みと弱みを再評価します。業務内容だけでなく成功・失敗したえエピソードもできる限り具体的に書き出すことが重要です。同時に、自己分析を通じてやりがいや興味のある分野などの適性も深掘りしてきます。

そして、これらを今後どのように活かせるかを考え、目指すべき業務やポジションを再設定します。過去の経験から得た分析を踏まえて自分自身を洞察することは、新たな目標の達成に役立ちます。

3.目標に必要なスキルを身につける

自己分析で自分に足りない知識やスキル、適性を洗い出した内容を踏まえ、目標達成に必要なスキルや資格の獲得方法を考えます。

例えば、マネジメント職を目指す場合、リーダーシップスキルやプロジェクトマネジメントのトレーニングを受けることが考えられます。また、新しい分野に挑戦する場合、関連する知識を習得することが必要です。

40代・50代にとって、さらなるスキルアップを目指し自己成長を続けることは、自分自身の市場価値を強化し、持続可能なキャリアの構築につながります。

4.PDCAサイクルを繰り返す

PDCA(Plan・Do・Check・Action:計画・実行・検証・改善)サイクルはキャリアパスにおいても重要です。

キャリアパスは、目標到達までの過程で、環境や時間の経過とともに状況が変化することもあります。思い通りに進まない状況でも実現困難と判断せずに、その都度PDCAを繰り返します。キャリアパスは短期的な目標と中長期的な目標によって構成するため、定期的に見直し調整と改善を行うことで、一歩一歩目標に向かって着実に進むことができます。

 

キャリアパスの悩みは専門アドバイザーへ相談!

40代・50代にとって、キャリアパスを描くことは自分の理想とする将来像を実現するための重要なプロセスです。ただし、自己成長を目指すなかでキャリアパスの描き方がうまくいかない場合や調整の仕方が分からないこともあります。

CanWill』は、キャリアに関する専門家として転職や定年後のキャリア構築など、一人ひとりの目標や適性に合わせてサポートを行っています。多方面にわたる経験豊富なキャリアアドバイザーが在籍しており、目標達成までお手伝いをします。キャリアパスに関する悩みや疑問をお持ちの方は、ぜひお気軽にご相談ください。

CanWillとは

『Can Will』では、第一線のキャリアコンサルタントが、ミドル・シニア世代のあなたの強みや志向を掘り下げて、納得感の高いキャリア相談を行っています。 「転職すべきか、今の会社で働き続けるべきか?」、「自分の強みが分からない」、「職務経歴書の書き方が分からない」、「自分の市場価値について客観的な評価ほしい」。 このようなキャリアに対するお悩みやモヤモヤがありましたら、ぜひ一度『Can Will』のキャリアプロフェッショナルにご相談ください。