40代管理職が転職後にぶつかる3つの壁
管理職の立場で、転職した経験はありますか?
特に40代以上の転職になると、管理職を経験していないと転職先が絞られるケースが増えてきます。管理職の転職は、平社員(プレーヤー)の転職とは違った大変さがあって、ぶつかりがちな3つの壁についてご紹介します。
転職後の壁①「社内の人間関係の把握」
平社員での転職の場合は自分の仕事に関係する上司や同僚など、近いところからゆっくり人間関係を構築していけばいいのですが、管理職の場合はそうはいきません。
転職して早々、まずはチームメンバー(部下)の把握が必要です。それぞれのキャラクター、仕事の役割や能力など、チーム戦力の見極めが必要になります。さらにチームの仕事を円滑に進めるために、他部署との交流も積極的に進めていかなくてはなりません。
そして、役員や経営陣とのコミュニケーションも大切になってきます。会社の上層部の情報は最初は入ってこないかもしれませんが、仕事を進めるうえで大切です。下を見て、横を見て、そして上も見るのが管理職の役割です。
前の会社と仕事の進め方も会社の文化も違うので、迅速に新しい会社の人たちと距離を詰めていく必要があります。そうしないと、チームメンバーの仕事に支障をきたす場合もあるので、とにかく人間関係の把握は急ぐ必要があります。
転職後の壁②「社内からの期待と評価」
管理職として転職してきたのだから、自分より優秀な能力やスキルを持っているだろうと部下は期待しています。まずはお手並み拝見とばかりに、ミーティングの仕切り、日頃の勤務態度、チームメンバーとの接し方など、新しい上司の一挙手一投足に注目しています。
ムリに能力以上のことをする必要はありませんが、最初が肝心です。新しいミーティングを設定して、上層部の情報をチームに伝える仕組みを整えたり不要な会議を廃止したりして、管理職としてできるところから変更を加えていきましょう。
管理職のポジションがなぜ空いたのかを、入社前に聞いておくといいかもしれません。もし前任の管理職に対しての不満が多く、管理職から外された場合はどういった不満があったのかをヒアリングしておくといいです。新しい会社の内部事情を知れば知るほど、改革しづらくなる部分もあります。知らない強みを生かした、業務の見直しを進めましょう。
転職後の壁③「リーダーシップの見せ方」
管理職には、リーダーシップが求められます。
勤務歴が長く昇進して管理職になった人と、管理職として転職してきた人とではリーダーシップの発揮の仕方が違います。昇進して管理職になった人は、社内でのこれまでの実績や信頼もありますし、他部署との調整もスムーズに行うことができます。故にチームのビジョンを決めたりリーダーシップを発揮したりするのは、それほど難しいことではありません。
しかし管理職として転職した人は、これまでの実績も信頼関係もないところからのスタートです。管理職であっても新しい会社の内情を何も知らないところで、リーダーシップを発揮しなければなりません。
管理職の転職の強みは、前の会社の業務の進め方と今の会社の進め方の比較ができることです。もし前の会社の仕事の進め方が新しい会社でも十分通用する、チームメンバーにとってもメリットがあるようなら取り入れてもいいと思います。
チームメンバーも実は、他社のやり方までは分かっていません。先輩や同僚から仕事の進め方を引き継いできたものの、その方法がベストかどうかまでは分かっていません。新しいリーダーの仕事のやり方のほうが、いい場合もあります。
今の会社にあったカスタマイズをして新しく仕事の進め方を変えることで、一気にチームメンバーの信頼を勝ち得る人もいます。他社を知っている強みを生かすことで短期間で実績を作り、コミュニケーションの壁を突破できる人もいます。
40代以上の人生経験や強みを生かす
20代、30代の若手から見た40代以上の上司は、上司が思っている以上に距離を感じていると思います。一方の40代管理職にとっては、20代、30代は自分が通ってきた道です。この先のライフイベントや身体的な衰えや変化について分かっているので、若手を近くに感じられます。
40代管理職として新しい会社に転職してきてこれら3つの壁にぶつかったとき、人生経験だけで乗り越えられるほど簡単なものではありません。周りが期待しているほど、自分の能力はそれほど高くないと思ってしまう場面も正直あると思います。
しかし焦らずに3つの壁をしっかり乗り越えていく姿を見せるだけで、チームメンバーは次第に管理職のあなたに信頼を寄せるようになります。慣れない組織や会社の文化の壁にぶつかって悩み苦しむのは、大なり小なり誰にでもあります。
会社やチームが抱える多くの問題は時間が解決してくれる場合が多いので、とにかく会社やチームの信頼を失わない仕事を積み重ねていって、やれるところから始めていけば自然とチームはまとまっていきます。
圧倒的スキルでチームを引っ張れる管理職ばかりではないですし、どんなにもその組織に合ったやり方はあるので、焦らずに新しい会社の情報収集をしっかりやりながら、慣れてきたら業務の効率化に着手していけばいいと思います。
新しい会社では元からいたメンバーのほうが先輩になるので、会社の経験値や知識で劣る部分はどうしてもあります。しかし人生経験はチームの若手よりも豊富なので、そのアドバンテージを押し付けることなく生かしていきましょう。チームメンバーの不安を解消するために話す機会を作るだけでも、管理職としての信頼度は上がります。
CanWillとは
-
前の記事
キャリアチェンジに失敗はないと思う理由
-
次の記事
30代40代の転職でキャリアチェンジをするメリット