キャリアチェンジに失敗はないと思う理由

キャリアチェンジに失敗はないと思う理由

キャリアチェンジを伴った転職をして、失敗したと感じる人は多くいます。改めてキャリアチェンジに失敗したとはどういうことかについて、一緒に考えてみましょう。

キャリアチェンジに失敗した4つの例

キャリアチェンジに失敗した例を、4つ挙げてみます。

  1. キャリアチェンジしたが、仕事で成果を残せなかった
  2. キャリアチェンジしたが、自分の職業適性と合っていなかった
  3. キャリアチェンジした業界にそもそも興味がなかった、面白い職種ではなかった
  4. キャリアチェンジして、役職や年収が下がってしまった

1つ目の新しい会社に転職したのに思ったような成果が残せないと感じるケースは、キャリアチェンジしたときに限らず転職した人すべてに当てはまる話ですし、2つ目の職業適性についても、同じ業種や職種からの転職であっても失敗と感じる人もいます。

ちなみにキャリアチェンジに失敗したと判断したのは、入社からどれくらい経ったタイミングでしたか? 転職した直後ですか? それとも3年働いたあとで、失敗したと感じているのでしょうか? 転職した直後は、誰もが新しい職場に慣れていません。会社の文化や仕事の進め方に戸惑い、同じ業界、同じ職種から転職した人でも苦労する時期です。

3年働いても成果が現れない、自分の職業適性と合っていないと感じる方でも、実はキャリアチェンジに失敗したのではなく、会社選びが失敗していた可能性もあります。その職場との相性が悪いだけで、自分の能力が十分発揮できる環境ではなかった可能性もあるのです。

ポジションや年収が下がってしまうのも、キャリアチェンジの場合はその業種や職種では未経験として扱われているからやむを得ません。経験を積めば自然とポジションも元に戻りますし、年収も戻ってくることでしょう。

40代でキャリアチェンジをしたわたしの経験談

20代、30代でキャリアチェンジに失敗したと判断するのは、時期尚早だと思います。おそらくですが、50代、60代になってからでないと、失敗かどうかは判断はできないと思います。

なぜかというと、その瞬間はキャリアチェンジに失敗したと思っていても長期的にはあの時のあのつらい経験が生きていると感じる瞬間がやってくるかもしれないからです。

わたしは元上司から声を掛けられ、新しい会社へ転職しました。その会社の仕事内容は前職と同じで、その会社で前職のやり方を広めるための転職でした。しかし業種はわたしが全く経験したことのないアパレルで、アパレルの知識を1から学ぶために、経験のないアパレル製作のチームマネジャーになったのです。

わたしは皮革、コスメ、アクセサリー、食品など多岐にわたる商材を取り扱ってきました。在庫管理や購買管理、発注業務が主な仕事でしたが、商材が変わるたびに気持ち的にはキャリアチェンジしている気分になりました。

しかし商品のライフサイクル、商習慣、消費者の動向調査など、扱う商材が違っていても共通する部分は多かったですし、むしろたくさんの商材を扱えたからこそ、コスメとアクセサリーのライフサイクルに共通点があるとか、他の人が気づかない視点で仕事に取り組めました。

未経験のアパレルを40歳から扱うことになって、大きな壁にぶつかってしまったのです。全く仕事についていけないうえに、これまでのキャリアで体験したことのない会社の文化に戸惑い、入社して1年経たないうちに会社を辞めたいと思うようになりました。

結局、介護が理由で会社を辞めることになったわけですが、おそらく介護がなくても3年以内には辞めていたはずです。そこから、フリーランスとして全く経験していない文章を書く仕事へキャリアチェンジしました。その仕事が、わたしの天職となったのです。もしあの失敗がなかったら、今のこの仕事には出会えなかったわけです。

当時のつらかった思いもすべて文章にして消化できるし、ネタとして使えると考えると、あのキャリアチェンジも間違いではなかったなと思えますし、失敗どころか、むしろ成功への一歩だったとも思えます。

また20代で経験したパソコンスキル、プレゼンテーションスキルに加えて、30代で経験したマネジメントスキルは、業種や職種に関係なく40代以降のキャリアで使えるものばかりでした。人前で話すのは得意ではないと思っていた20代でしたが、40代以降はあの経験のおかげで人前のプレゼンテーションは苦になっていません。

マネジメントスキルも何かと活用する機会があります。ひとりで仕事をすること自体それほど多くないはずで、必ず誰かと仕事をするはずです。そこでチームが生まれるので、あとはリーダーシップを持ってマネージャーのように振舞うと、チーム自体のパフォーマンスが上がります。これまでのキャリアや経験を応用して、新しい仕事に活用できるかどうかにかかっています。

短期的には失敗と感じたキャリアチェンジでも、50代、60代になったときに生かされる可能性もあります。人生ムダな経験などひとつもないと考えると、キャリアチェンジの失敗も人生の糧となるかもしれません。

長い目で考えてと言われても、今の時点でキャリアチェンジに失敗したかどうかを早く知りたい気持ちも分かります。でもキャリアチェンジの経験はプロット(点)のようなもので、いろんなところにプロットを打っているうちに、何年かしてつないでみたら線になる感覚です。その瞬間はムダで遠回りと思うかもしれませんが、必ずつながる日がやってくると信じて頑張りましょう。

CanWillとは

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