仕事の辞め時を見極める5つのサインと円満退社のポイント
ミドル・シニア世代のなかには、仕事の辞め時が分からないまま将来への不安を抱えている方もいると思います。「会社に貢献したい」と思っていても、昇進・昇給の見通しが立たないことや、人間関係のストレスなど、さまざまな理由が退職を考える要因となり得ます。
この記事では、仕事を辞める前に、辞め時かどうか見極めるサインや、退職を決心した際にやるべきこと、円満退社のためのポイントを解説します。後悔のない選択をするために、ぜひ参考にしてみてください。
仕事の辞め時を見極める5つのサイン
仕事の辞め時は、あなたが置かれている状況や仕事への関わり方によって異なります。「辞めたい」と感じたら、辞める以外に選択肢はないのか、辞めたあとどうするのかを考えるためにも、仕事を辞めたい理由を冷静に分析して明確にすることが重要です。
ここからは、仕事の辞め時かどうか判断するポイントとして参考になる5つのサインを紹介します。
1.仕事内容にやりがいを感じない
ミドル・シニア世代は実作業から離れて管理職に就く人も多くいます。若い頃に担当していた業務に比べてやりがいが見出せないと感じる人もいるかもしれません。やりがいを感じられない原因として多く見られる要素は以下のとおりです。
- 毎日同じような作業の繰り返しでモチベーションを見出すのが難しい
- 自分のスキルを十分に活かせないと感じる
- 自分のスキルや強みを活かしきれない部署から異動できない
- これ以上のキャリアアップが見込めない
これらの場合には、無理に仕事を続けるのではなく、退職を検討してみるのも一案です。
なお、「仕事ができないから辞めたい」と感じている方は、こちらの記事をご確認ください。
仕事ができないから辞めたい? 諦める前に試したいこと
2.人間関係のストレスが大きい
主に退職を考えるキッカケとなるのは、「やりがいがない」ことだけではありません。上司からのパワハラや同僚との衝突など、人間関係のトラブルが原因で「辞めたい」と感じるケースもあります。
また、職場にいじめやハラスメントが起きている場合も仕事のモチベーションを下げ、辞めたくなる原因となり得ます。部署異動で環境を変えることが叶わない場合は、辞め時といえるのではないでしょうか。
3.給与や待遇に不満がある
労働に見合った対価が得られない、昇進・昇給の見通しが立たないなど、給与や待遇に対する不満で仕事へのモチベーションが下がることもあります。
給与や待遇に不満がある場合は、「なぜ仕事の評価が反映されないのか」と自身の言動を振り返り、改善策を模索することも大切です。会社の評価基準に満たない場合や成果が出ていない場合は、自分の弱点や改善点に気付くことができるのではないでしょうか。
一方、以下のようなことが原因で待遇が変化しない場合には、自分一人ではどうすることもできない状況のため、辞め時であると考えられます。
- どんなに成果を上げても評価や待遇に反映されない会社のシステム
- 一部の人しか出世できない
- 会社の業績悪化 など
4.会社の方向性に共感できない
会社の企業理念やビジョンに共感できないと、仕事への情熱をキープするのが難しくなります。また、社風が自分に合っていない場合は、日々の小さなことがストレスになることも考えられます。
企業理念や社風は自分自身で変えるには難しいため、辞めることを選択肢の一つとして検討してみてはいかがでしょうか。
5.ワークライフバランスが保てない
働くうえで、ワークライフバランスを大切にしている方も多いと思います。そのような方にとって、業務過多による長時間労働や休日出勤などでストレスを感じている状況は、退職を検討するきっかけになり得ます。
プライベートの時間が確保できなければ、心身の疲労や負担になります。生活に支障が出ている場合には、休職も視野に入れて会社にきちんと相談することが重要です。
ただし、会社に相談しても改善されない場合には、身体面・精神面の両面から、自分を守るためにも辞め時であるといえます。
仕事を辞めると決めたら
仕事を辞めることは人生においてとても大きな決断です。漠然とした不安や不満から退職してしまうと、転職後の職場でも同じような問題に直面する可能性があります。そのため、慎重に行動することが大切です。
退職後に後悔しないためにも、今後のキャリアプランを考えておくことは非常に重要です。ここからは、退職を決めた際にやっておくとよい3つの行動について解説します。
1.退職理由を明確にする
仕事を辞めることを決心した際に、なぜ辞めるに至ったのかという理由を明確にしておくことが肝要です。
退職理由を明確にすることで、働くうえで自分が譲れない条件や将来のビジョン、今の仕事に対して不満に思っていることなどを可視化できます。これにより、自分の目標や希望を再確認しやすくなり、転職活動をスムーズに進められると期待できます。
2.今後のキャリアプランを考える
仕事を辞めたあとにやりたい仕事がある場合は、自分が持っているスキルや資格を洗い出したうえで今後のキャリアプランを考えることが大切です。退職する前に、これまで関わってきた仕事やプロジェクトにおける自身の役割や成果、周りからの評価などをまとめておくことで、転職活動の際に役に立つ場合があります。
ミドル・シニア世代は、これまでの経験やスキルをアピールポイントにして転職活動を進められることが強みです。転職を検討している方は、「自分の持つスキルや経験をどう活かしていくか」を具体的に思い描いておきましょう。
3.プロに相談する
一般的にミドル・シニア世代の転職は若い世代の転職と比べて難しいといわれています。若い世代に比べ、身につけたスキルや豊富な経験があったとしても、それを転職でどう活かすかによって難易度が異なります。
退職後に転職を考えている方は、転職エージェントやキャリアアドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。客観的なプロの視点からアドバイスをもらうことで、自身の転職活動を効率的に進めることができます。
円満退社のためのポイント
会社を辞める際は、気持ちよく円満に退職したいものです。円満退社のためには、退職を切り出すタイミングや伝える理由に配慮が欠かせません。
退職の手続きを進めるうえで会社や上司、同僚との確執ができてしまうと、精神的なストレスとなり、転職活動にも影響をきたす場合があります。そのような事態を避けるためにも、退職の意思を伝える際に気を付けるべきポイントを3つ紹介します。
1.会社に対する不満を退職の理由にしない
実際の退職理由が会社に対するネガティブな内容であっても、会社に対する不満や上司への批判はせず、できるだけポジティブな理由を伝えましょう。
退職の意思を伝えてから退社日までの間、職場でいやな思いをしないためにも、理由を伝える相手や会社に残る人たちへ最大限の配慮をすることが大切です。一般的な退職理由の例として、以下が挙げられます。
- 家族の介護や看病などで今の仕事を続けるのが難しい
- 夢や目標のためのステップアップ
- 家業を継ぐため など
2.報告のタイミングを見極める
業務の割り振りや後任探しの期間が必要なため、退職の報告は余裕を持って早めに伝えるのが望ましいといえます。退職の意思は退社希望日の1~3ヶ月前に伝えるのが一般的とされていますが、会社の就業規則により異なります。退職を決心した際は、いつまでに退職の意志を伝える必要があるか、勤め先の就業規則を確認しておきましょう。
また、退職の意思表示をする際は、会社の繁忙期や事業年度の切り替え時期などは避けるのが無難であるとされています。これらの時期を避けつつ、できるだけ早い時期に信頼できる上司や担当者に報告しましょう。
3.計画的に引き継ぎを行う
退職する際は、後任者に自分の抱える業務をしっかりと引き継ぐ必要があります。退社日から逆算して、余裕を持ったスケジュールで同僚や部下に引き継ぐ時間を確保しましょう。
引き継ぎが必要な業務のタスクを整理してリスト化しておくと、後任者への引き継ぎをスムーズに行うことができます。また、マニュアルや顧客リストなど、後任者が理解しやすい資料を作成しておくことで、効率的に引き継ぎを行うことが可能です。
退職の伝え方については、こちらのページで詳しく解説しています。
退職の言い方や切り出し方が分からない! 円満退社するための伝え方とは
仕事の辞め時を見極めて慎重に退職を検討しよう
仕事の辞め時といえるタイミングは、あなたが置かれている状況や仕事への関心度によっても異なります。ストレスの度合いやモチベーションの低下が改善されないなど、辞め時を判断するポイントのほか、仕事に対して重要視している点も人によってさまざまです。退職を検討している方は、自身の状況に合わせて慎重な選択をすることが大切です。
ミドル・シニア世代が退職や転職を決断するのは、将来の不安もあり簡単なことではありません。一度転職のプロへ相談するのもおすすめです。ミドル・シニア世代のためのキャリア相談サービス『CanWill』は、転職に伴う悩みや負担を解消するために、キャリアコンサルタントが親身になってサポートします。今の仕事を辞めて「新たな会社でやりがいのある仕事がしたい」とお考えの方は、ぜひお気軽にご相談ください。
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