スキルアップを年収につなげたい『キャリアを積む』イメージとは
「キャリアを積む」をイラストで表現すると?
キャリアアップをイラストで表現したとき、階段がよく用いられます。人間が階段をのぼっている姿を真横から見た画を見た経験があると思いますが、このイメージを膨らませると「キャリアを積む」が分かりやすくなります。
社会人になってすぐの段階では、まだ階段は存在していません。自分自身で階段の基になる箱(キャリア)を探したり作ったりして、1段ずつ積んでいきます。
箱は仕事を経験したりスキルを磨いたりすることでできあがりますし、先輩や上司からの指導によって提供される場合もあります。まずは1段、次は2段、3段と積んでいき、できあがった階段をのぼっていきます。
キャリアを積むための土台は頑丈でなくてはならない
「キャリアを積む」際に、土台となる箱(キャリア)は頑丈でなくてはいけません。具体的にはコミュニケーションスキルであったり、プレゼンテーションスキルやITスキルだったりなど、どの会社でも通用するスキルでありビジネスマナー的なものも含まれます。
そうしたビジネスにおける土台をまずはしっかり作ったうえで、技術やスキルの箱を積んでいきます。土台が弱いまま、技術やスキルの箱だけを積んでも不安定になりますし、場合によってはつぶれたり崩れたりします。
箱の素材は段ボールなのか、コンクリートを積み上げるのかでも違います。箱の素材の強度=キャリアの強さを表していて、どんなに長い経験を積んで箱を積み上げたとしても、段ボールであればすぐにつぶれてしまいます。
転職を繰り返したときの「キャリアを積む」とは?
「キャリアを積む」のイラストは1列で表現されることが多いのですが、転職を経験するとわたしはもう1列、別の階段が生まれるイメージがあります。
例えば同業種、同職種で転職した場合は、1列のままキャリアを積んでいくイメージですが、異業種、異職種に転職した場合は新たな列にキャリアを積んでいくイメージになると思います。
新しく列が増えるので、同じ業種を極めている人に比べて、箱の高さはないかもしれません。しかし列が広がる分、幅も広がるので、キャリアに対して柔軟性が生まれます。もし1列のままキャリアを積んでいって箱がつぶれてしまったら、右にも左にも逃げられません。
転職を繰り返すと、転職先の人事の評価はネガティブなものが多くなります。しかし自分の目線で見れば、たくさんの業種や職種を経験しておけば、いざというときに別の列へ移動できます。土台となるスキルはどの業種も共通していることが多いので、転職を経験し様々な会社のシステムや仕事の進め方を経験しておけば、自分のキャリアは安定していきます。
40代から「キャリアを積む」とは?
次に、すでにキャリアを積む作業を完了しつつある40代について考えます。
キャリアを積み、箱の高い位置まで登ってしまった人にとって、そこから降りるのは難しいと思うかもしれません。どんなにキャリアアップをしながら箱を積み重ねてきた人であっても、会社の業績や社会情勢、家族の健康問題、AIなどのテクノロジーの進化による仕事の効率化などで会社を辞めたり、キャリアチェンジが必要になったりする可能性はあります。
40代になったら、今まで積んできたキャリアを改めて見直しましょう。そしてそのスキルを使って、今までとは違う方向へキャリアを積み直しができるかどうかを検討しましょう。スキルの組み合わせ次第では、唯一無二のキャリアとなる可能性もありますし、50代60代になっても仕事が舞い込む可能性があります。
方向=好奇心・関心と考えると、これまでのキャリアは幾重の方向に積み替えることが可能です。会社の業績ばかり考えて仕事をしてきた人が、1冊の本や1回の研修をきっかけに社会貢献の方向に舵を切る。180度違う方向ですが、好奇心や関心の強度が高いとたくさんの方向に踏み出すことができます。
一方で若い時ほど体力がないので、キャリアを積めるエリアは年齢を重ねるごとに小さくなっていくイメージを持ちましょう。エリア=体力・健康面と考えると、そのエリアは加齢とともに少しずつ小さくなっていきます。
広いエリアを確保できるうちに、キャリアを見直して積み替えて、自分の可能性を見出す作業を繰り返しておきましょう。年々体力も衰えてくるので、キャリアを見直そうと自分の箱を持ち上げようとしても持ち上げられなくなるかもしれません。
また億劫になって今の箱から一歩も動こうとせず時間だけが過ぎていくケースもあるので、40代の若いうちにチャレンジしましょう。
年収から考えるベストなキャリアの積み方
長期のキャリアプランを考えるときも、自分ならどう箱を積むのがベストなのかを考えてみるといいです。
箱の高さはキャリアやスキルの習熟度や経験値になりますが、年収で考えても間違いではありません。1つ1つの箱に具体的なスキルを書いて、それを積み上げてみる。そしてそれに見合った年収もついてくるようだと、理想的なキャリアプランだったということになります。
キャリアを積む意識ではなく、たくさんの箱をかき集めるところから始めるのも面白いと思います。同期や学生時代の友人と比較してしまうと、なかなか高いところにのぼれないので不安に感じるかもしれません。しかし、箱をかき集める行為は自分のやりたい事探しでもあるので、理想の箱がたくさん見つかるかもしれません。
キャリアという箱をまずはたくさん集め、それを一気に積んでいく。少し遠回りになるかもしれませんが、そのほうが自分の納得いくキャリアが完成すると思います。