定年後の人生を楽しむために今からやるべき3つのこと
60歳、あるいは65歳で定年退職したあと、人生100年時代と考えれば、定年後は40年近い自由な時間があります。しかし、定年後の40年の人生すべてを謳歌できるかと言えば、健康リスクが高まるので分かりません。
平均寿命とは別に、健康寿命という考え方があります。健康寿命とは「医療や介護を必要としない期間」を指し、2016年時点で男性72.14 年、女性74.79 年です。60歳で定年退職した場合、男性なら約12年、女性なら14年しか、体を健康に動かせる時間は残っていないのです。
定年後の人生を楽しむために、今からやるべき3つのことをご紹介します。
定年後の人生は、本当にゆっくりしたいのか?
定年後の人生を考える前にまず、ご自身が隠居生活を楽しめるタイプかどうかを理解しておきましょう。
転職やリストラなどで、長い仕事のブランク期間があったとき、心から家でゆっくりできましたか?通勤しないと落ち着かない、会社の同僚や仲間と会っていないと、なんだか不安だったという方はおそらく、定年後の人生の暇な隠居生活は向いていないかもしれません。
長期で休んだ経験がない場合は、定年後の人生のお試し期間として、長期休暇を取得してみるといいでしょう。ゆっくりできず、ソワソワしてしまう方はきっと、定年後も仕事や趣味の時間を設けて、アクティブに社会とつながっているタイプだと思います。
定年後は都会の喧騒や仕事から距離を置き、田舎でゆっくりしたいと考えている方も要注意です。今の仕事が忙しすぎて、逃げたいから、田舎でゆっくりしたいだけかもしれません。実際、定年後に田舎に移住してゆっくりするつもりが、あまりに暇でやることがなく、逆に不便さを感じて都会に戻る方もいます。
定年後の人生や働き方は50代から考える
定年後も働きたいと考えている場合、現在の勤務先の定年後の継続雇用制度を利用するのか、再就職の道を選ぶのか、雇用されずに自ら働くのかなど、50代のうちから考えておきましょう。
そのうえで、今ある人脈やスキルが生かせる仕事なのか、学び直しや新たな資格取得が必要なのかなど、これまでの会社員人生をアップデートしていく必要があります。
営業経験がなかった方でも、定年後の人生では自分自身や自らの作った製品やサービスを売り込む必要に迫られる可能性もあります。あるいは営業一筋だった方が、コンサルティングやカウンセラーへ転身し、商品を売り込むより人の話をしっかり聴く側に回ることだってあります。
そうしたシミュレーションは定年前から考えたほうが、定年後の人生が豊かになります。
定年後の人生設計を考えつつ、今から行動に移す
定年後に暇になってから、やりたいことをゆっくり考えようと思っても見つけられず、もっと早く考えておけばよかったと後悔する方は多くいます。もし定年後にやりたいことが決まっているのなら、即行動に移すべきです。
定年を迎えたとき、今よりも体は確実に老いていますし、脳の力も衰えています。そんな状態で新しいことにチャレンジしようにも、想像以上に頭や体がついていかず、何もできずに人生を終えてしまうかもしれません。
また、定年後にやりたいことを実践したところ、やりたかったことはこれではない、本当にやりたいことは別にあると感じる方もいます。そういったトライ&エラーは、定年後ではなく定年前にたくさんやっておくべきです。試行錯誤を繰り返す中で、趣味として続きそうなもの、仕事で社会貢献できそうなものが見つかります。
今、この瞬間が1番若いのです。定年後の人生を、定年を迎えてから軌道修正していくのではなく、定年前から行動して充実した定年後の人生を送りましょう。