技術職のキャリアプランと専門職との違いとは?
厚生労働省の職業分類は、専門職と技術職で分かれています。ハローワークでも専門職と技術職で職業分類しているので、まずはこちらから見ていきましょう。
専門職の例
理学・工学、 農学・林学・水産学の研究者、 医師、歯科医師、獣医師、薬剤師、介護系など
技術職の例
農林水産技術者、開発技術者(食品開発、電気・電子・電気通信開発、機械開発、金属製錬・材料開発ほか)、製造技術者、建築・土木・測量技術者、情報処理・通信技術者など
どちらも専門性の高い職業であることは分かりますし、技術職には分かりやすく「技術者」と書いてあります。技術職=エンジニアのイメージがあるかもしれませんが、エンジニアといってもハローワークの分類のとおりIT系エンジニアもいれば、モノづくり系のエンジニアもいて、ややこしいです。
今回は技術職のキャリアプランについて取り上げますが、特に求人が多いIT系の技術職(エンジニア)について取り上げます。
IT系技術職のキャリアプランの例
IT技術職の中でも、職種は多岐にわたります。
例えばWeb系エンジニアは、ブラウザ上の処理やWebデザインを主に担当するフロントエンドとサーバー構築や保守、ネットワーク、データベース管理などを担当するバックエンドがあり、仕事の中身は全く違います。
さらにプログラマーや、AWSやGCPといったクラウドの知識を必要とする職種もあります。またAIやディープラーニングといった機械学習系のエンジニアは、将来性が見込める分野です。
IT系技術職としてキャリアプランを考えるときには、この細分化された職種をまずは把握しておく必要があります。また技術職としてキャリアを形成する場合は、関連する技術について多く身につけておいたほうが、自分のキャリアアップにつながります。
技術職としてキャリアプランに資格取得を組み込む
技術職以外の人が転職活動をする際、履歴書に書いた資格は実務上ではそれほど使えないケースがよくあります。対して技術職の場合は、必ずしも実務とリンクするわけではありませんが、他の職種よりも転職時の指標になります。
例えばネットワークエンジニアやインフラエンジニアとしてのキャリアプランを考える際に、シスコ技術者認定資格の「CCNA」や「CCNP」を持っている方も多いと思います。あるいWEBエンジニアならばPHP技術者認定試験を受けておくと、PHPエンジニアとしての技術力を客観的に証明でき、就職や転職の際にアピールできるというメリットがあります。
資格取得はあくまで目安でしかありませんが、特に実務経験が少ない場合はアピールポイントのひとつになるでしょう。
求められる技術職としてのアップデート
IT技術職に限らず、すべての技術職に共通することとして、常に最新の技術を追い求める必要があります。2年前、3年前の技術では、もう古いなんてこともあります。技術職以外であれば、これまでの経験や知恵だけで乗り切れる場合もありますが、技術職はそうはいきません。
そして技術職としてのキャリアプランを考える際には、年齢との兼ね合いを考えておかなくてはなりません。好奇心も体力もあって、何歳まで最新の技術を追い求められるのか? 自分が老いても、若い頃と同じようなパフォーマンスを残せるのか? そういったところまで、キャリアプランに組み込んでおく必要があります。
技術職として後輩の育成をしようというキャリアプランの人もいれば、生涯現役でキャリアプランを考える人もいます。実年齢もそうですが、やはり知的好奇心をいつまで持ち続けられるかの勝負になると思います。好奇心をずっと持ち続けられるだけの、健康と体力も大切です。