ハイキャリアやハイクラスという言葉は転職市場でしか使わないかもしれない
転職活動中に見かけるハイキャリア転職やハイクラス転職の文字。年収が高く、役員クラスの求人だろうと予測はつくのですが、転職市場以外ではあまり見かけない言葉です。
もしハイキャリアの枠で転職活動ができれば、転職エージェントからの求人紹介は一般とは別枠になりますし、いわゆるヘッドハンターから声がかかるのもハイキャリア転職の特徴です。しかしハイキャリアの定義自体があいまいなため、何がハイキャリアなのかよく分かりません。まずはハイキャリアの定義から、整理したいと思います。
ハイキャリアの定義とは?
転職サイトや転職エージェントなどが定義しているハイキャリア人材には、次のような方がいます。
- 現職の年収が、800万円を超えている
- 大手企業や超有名企業でのキャリアがある
- 高学歴である
- たくさんの部下を持った管理職の経験がある
- 会社の経営課題を解決してきた経験が豊富である
確かにこうした条件に見合った人材は、一般の人と比べるとハイキャリアかもしれません。ハイキャリアの意味が分からなくても、だいたいハイキャリアの定義はこんな感じでイメージすると思います。
この中で本当にハイキャリア人材と言えるのは5番だけで、他は転職活動に有利には働きますが、それだけでハイキャリアとは言えません。会社の経営課題を解決しなくても、高学歴で大手企業に入社できれば年収800万円超えは可能ですし、多くの部下を持つ管理職にもなれるからです。
業績悪化からの急激な回復や新規市場の開拓、海外市場への展開など高度な経営課題に対して、専門的なスキルや能力や人脈でスピーディーに解決できる人こそ本当のハイキャリア人材と言えますし、男性、女性の差や年齢といった条件の壁も簡単に超えられます。
そもそもハイキャリア人材は転職市場にあまりいないため多くの企業が熱望していますし、転職エージェントも転職成功率の高い人材なので、紹介報酬が得やすく本気で求人を紹介してくれます。
ハイキャリア・ハイクラス人材は周りの評価で気づく
ハイキャリア人材は、自分の専門性を生かし能力を発揮できる職場環境を求めています。
難しい経営課題に対して真摯に向き合い、自分の能力を持って解決する。その環境に身を置くことこそが自分にとって大きなチャレンジであり、仕事を通じて自分のキャリアをさらに高められる喜びがあると考えますし、会社や従業員に対して貢献できるほうが大切で、それに見合った条件面は後からついてくるものだと考えます。
それだけ圧倒的なパフォーマンスを残してきたからこそハイキャリア人材であって、年収を100万円アップさせるために転職を希望したり、更なる上位のポジションを獲得したりするために転職するのではありません。
ひょっとするとハイキャリア人材と呼ばれる人は、自分自身が転職市場においてハイキャリアに属していることを始めは認識していないかもしれません。転職エージェントやヘッドハンターなどから、あなたはハイキャリアの枠に入ると言われて、初めて自分の市場価値に気づいたという人もいると思います。
また一般的な転職市場ではなく、知っている人脈を使って転職するケースも多くあります。ヘッドハンターや転職エージェントに高い手数料を支払ったうえに、高い年収で迎え入れるわけですから、全く知らないハイクラスの人材を採用するのは勇気が要りますし、リスクもあります。
それよりも一緒に働いた経験があったり、友人から紹介してもらったりしたほうが、一から面接するよりも間違いないわけです。そう考えるとハイクラス転職やハイキャリア転職は、転職市場関係者が登録会員に対して分かりやすくするためのカテゴライズでしかないのかもしれません。
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