転職エージェントを利用して年収をアップするには
新たなキャリアの一歩を踏み出す際、年収をアップさせるために転職エージェントを活用することは、ごく自然であり、賢明な方法といえます。転職エージェントは、理想の働き方や希望年収に見合った仕事に就くために強い味方となりえます。また、転職を希望する人と採用を考えている企業の間に入り、双方の条件をヒアリングし、最適なマッチングをしてくれます。
転職エージェントには転職支援のノウハウが蓄積されているため、企業の内部情報の収集や給与交渉、面接日程の調整、面接対策支援など、幅広くサポートしてくれます。ここでは転職エージェントを利用するメリットや年収の交渉方法、注意点について解説します。
転職エージェントを利用する強み
転職エージェントは、一言でいえば、“企業と求職者をマッチングするスペシャリスト”です。求人情報を探すのはもちろん、専任のキャリアアドバイザーが、求職者のスキルや経験に合わせてアドバイスやカウンセリングをし幅広くサポートしてくれるなど、非常に頼りになる存在です。ここでは転職エージェントを利用には以下のようなメリットが挙げられます。
- 市場動向や業界トレンドに精通している
- 履歴書・職務経歴書の添削をしてくれる
- 十分な対策をして面接に臨める
- 企業と提携し、非公開求人やハイクラスな求人情報を持っている
- 面接の日程調整や採用までの転職プロセスが効率的に進められる
- 企業との間に入り給与交渉などのやり取りを仲介してくれる
一方で、転職エージェントを利用しない場合、これらのサポートが受けられません。求人情報の収集や連絡先の特定、面接スケジュールの調整などを自分で行わなければならず、多くの時間と労力が必要です。特に競争の激しい業界や高収入を目指す場合、転職エージェントのサポートは非常に有利に働きます。
転職エージェントを利用した年収交渉
年収交渉は、転職エージェントを利用する大きなメリットともいえます。転職エージェント側の担当者は企業の採用の背景や経緯を把握しているため、年収交渉をするべきかどうか、どのタイミングで行うかを含めて、交渉の進め方をアドバイスしてくれます。企業によっては社内でさまざまな条件があり、年収交渉をしたからといって必ずしも年収が上がるわけではありません。
しかし、年収や待遇について悩んでいる場合はキャリアアドバイザーが心強い味方になってくれますので、一度相談してみるのも一つの方法です。ここでは、年収交渉をするにあたって意識すべき点を紹介します。
年収交渉のために準備すること
年収交渉に備える際、3つのステップ『自己評価と過去の実績』『市場調査』『前職の年収』の整理を行うことが重要です。
ステップ1:自己評価と過去の実績
まず、過去の職歴や実績を整理し自己評価を明確にします。
スキルと実績は重要な交渉材料ですので、客観的に評価し交渉の根拠を明確にします。「一生懸命に頑張った」という熱意だけでは説得力に欠け、交渉はうまくいきません。
年収要求の根拠を強化するには、次のように具体的な数字や成果を挙げてアピールポイントを提示することが重要です。
- 「販売益を〇%上げた」
- 「〇〇〇万円規模のプロジェクトを成功させた」 など
自己評価は交渉の基盤であることを意識し、希望年収に見合った自分の価値に、説得力を持たせることに努めましょう。
ステップ2:市場調査
次に、自分の市場価値がどの程度なのか、そして一般的な相場を調査します。
年収の交渉をする際、自分の要求が適切であるか客観的な判断が求められます。自分の希望と業界の相場がかけ離れていると、交渉が難航する可能性が非常に高まるため特に慎重になるべきポイントです。
調べても分からない場合には、転職エージェントに確認しましょう。業界標準に沿った年収であれば、現実的な条件として交渉が可能です。
ステップ3: 前職の年収を調べる
最後に、前職の年収を調べます。
年収額は1年間に受け取った合計金額ですので、月収以外にも賞与や各種手当も含めます。前職の源泉徴収票に記載された金額を確認したうえで、希望年収額と最低額の2つを決めます。
ただし、年収交渉では必ずしも希望額どおりになるとは限りません。最低額を設定することで、自分自身がこれ以上受け入れられないという意思を表示できます。希望年収額と最低額の範囲内で交渉に臨みましょう。
年収交渉のタイミング
理想的な条件で年収交渉に臨むためには、タイミングも大切です。年収交渉の適切なタイミングは、内定が出る前からオファー面談前です。
内定決定前の段階では、企業側は採用者の年収や待遇をほぼ固めている状況です。採用者側からの要望に対して能力に基づいた交渉を進めることができると考えられます。
内定が決まった段階では基本的に年収が確定し、オファー面談を経て入社するのが基本的な流れです。オファー面談では年収やポジションの希望を確認する最終段階ですので、このタイミングを逃さないように注意しましょう。
交渉のタイミングによって内定取り消しにならないかと不安を持つかもしれませんが、転職エージェントに一任できますので、このような不安は無用です。心配な方は、選考過程の早い段階でキャリアアドバイザーに申し出ておきましょう。
条件の提示方法とポイント
転職エージェントに一任すれば、年収交渉をスムーズに進めてもらえます。とはいえ、キャリアアドバイザーにすべてを任せっぱなしでは、よりよい条件を獲得するのが困難です。年収交渉の準備段階で整理した内容に基づいて、可能な限り詳細な情報をキャリアアドバイザーに提供しましょう。
キャリアアドバイザーは、提示条件とスキル・実績に隔たりがあれば、正当な金額を提案してくれるので安心です。しかし、自分の市場価値とかけ離れた希望年収や現実的でない待遇の要求、たびたびの条件変更は、交渉成功を阻む可能性が高いため、準備段階ではしっかりと情報を整理しておくことをおすすめします。
年収アップを目指す転職での落とし穴
転職では、想定しないことが生じることもあります。どのような落とし穴があるのかを理解し、事前に対処することが重要です。
業界の相場
転職先の業種や職種、企業の規模や地域によって、年収が下がるケースも考慮しておくことが必要です。相場は業界ごとに違いがあります。例えば、前職と異なる業界への転職は、特に未経験であれば年収が下がりやすいケースです。
また、同じ業界であっても企業の規模や地域によって相場が影響します。大手企業から中小企業に転職する場合、中小企業での給与水準が低いことが考えられます。さらに、地方に転職する場合も、給与が低くなる可能性があります。企業ごとに年収の内訳は異なるため、しっかりと把握しておくことも必須です。
また、年収アップに成功しても、次のような問題に直面することもあります。
- ボーナスが増加し月給が下がる
- 待遇条件がよくない
特にボーナスは景気や企業の業績に左右されるため、景気の低迷や企業の業績不振が生じた場合、年収が減少する可能性があります。安定的な生活を送るためには、月給や手取り額も念頭におくことが賢明です。
さらに、仕事の満足度やライフ・ワーク・バランスの実現のためには、待遇条件の確認も必要不可欠です。
自身の年収相場・市場価値を把握する
採用時の年収は、過去の実績やスキル、前職の年収を参考にして決定することが基本です。自分の市場価値に見合わない高い年収を要求すると、信頼性を損ないます。年収アップを図りたいがために、架空の実績や前職の年収を実際よりも高く提示することは、決して行ってはいけません。
虚偽の報告や根拠のない過大評価は、判明した際に信用が失われるだけでなく、年収の低下や職場での居づらさ、キャリアの喪失などの問題につながります。誠実な姿勢で転職活動に臨みましょう。
企業側の社内調整
年収交渉においては、当然のことながら企業によってポリシーが異なります。年齢やキャリアなど会社既定のルールに基づいて年収が決まる企業や他の採用者との均等性を重視する企業では、交渉そのものが難しい場合もあります。
こうした企業側の社内調整が難しい場合には、他社からのオファーがあれば引き合いに出して再交渉に臨むのも一つの方法です。無理に自分の希望を押し通さずに、入社後のパフォーマンスで昇給を目指すことも視野に入れましょう。
転職エージェントの年収交渉を利用して年収アップを目指す
転職で年収アップを目指すのであれば、転職エージェントは一つの有効な選択肢です。転職エージェントは市場のトレンドや非公開求人情報に精通しており、スキルと経験に合った最適な転職先を見つけ出すのに役立ちます。エージェントの専門知識と幅広いネットワークを活かして、理想的なキャリアアップを目指しましょう。
40代・50代の転職時に生まれるモヤモヤを解消する「キャリアの不安」相談サービス
ミドル・シニア世代の方がこれから転職を目指すには、転職エージェントを活用して年収アップを図るのが一番の近道です。一方で、「自分の強みが分からない」「転職活動を何から始めればいいか分からない」という方もいるのではないでしょうか。
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