転職先が決まってないときの退職は3つのお金に注意!
次の転職先を決めてから、辞表を提出して退職するのが一般的です。
なぜなら転職先が決まってないまま退職すると、収入が一時的に途絶えたり、キャリアにブランクが生まれて転職活動が厳しくなったりするリスクがあるから、会社を辞めずに次の転職先を探します。
しかし、転職先を決めずに退職するケースもあります。例えば、退職しないと転職活動の時間が作れない場合や、ブラックな職場環境、パワハラなど現職で大きなストレスを抱えているなら、退職を急いだほうがいいでしょう。
その際に注意しておきたいのが「3つのお金」です。転職先が決まってない状態で退職すると、収入がない状態で、多額の出費が待っています。勢いで退職する前に、しっかり押さえておきましょう。
厚生年金から国民年金に切り替わる
公的年金制度は、第1号、第2号、第3号に分類されています。会社員や公務員は第2号(厚生年金)に属しており、退職して無職になれば第1号(国民年金)に変わります。第1号には無職の方以外に、自営業者や学生などが含まれています。
転職先が決まってない状態で会社を辞めれば、厚生年金から国民年金への切り替えを自分自身で行わなければなりません。厚生年金に加入していた会社員時代は、給料から天引きされていたので年金の支払いをそれほど意識していなかったかもしれませんが、国民年金は仕組みが大きく変わります。
厚生年金は労使折半されていて、実は給与から天引きされている同じ額を会社が支払っていました。さらに厚生年金は報酬月額に比率をかけて計算されるので、収入が多いと支払いも多くなります。なので支払いが多い厚生年金のほうが、老後にもらえる年金額も多いのです。
国民年金は会社が払ってくれていた部分がなくなり、一律の支払額になります。厚生年金ほどではありませんが、国民年金基金を利用すれば国民年金に上乗せして、年金が支払われるようになります。
老後の年金まで考えたとき、転職先を決めずに退職しても大丈夫でしょうか? また一時的に無職になった場合、国民年金の支払いはできますか? 国民年金の支払いが厳しい場合は、国民年金保険料免除・納付猶予制度もあります。退職後に、国民年金の未納が発生しないよう、準備しておきましょう。
健康保険から国民健康保険に切り替わる
年金以上に急がないといけないのが、健康保険です。退職すると会社の健康保険から、国民健康保険への切り替えが必要になります。特に通院中の方は、退職した次の日から今使っている健康保険証が使えなくなるので注意が必要です。
退職の翌日から14日以内に変更手続きが必要になりますが、特に注意すべきは国民健康保険の保険料です。思いのほか、この保険料が高額なのです。ざっくりいうと、退職前の健康保険料の2倍くらい支払う必要があります。こちらも年金同様、労使折半されていたものが退職によってなくなるためです。
退職してすぐ国民健康保険に切り替えるのではなく、任意継続制度を使って前職の健康保険を利用できます。期間は2年と決まっていますが、保険料も2年間固定なので、驚くほど高い国民健康保険の支払いをせずに済みます。
誰もが退職後にケガをしたり、病気をしたりする可能性もありますし、国民健康保険は加入義務があります。任意継続を検討し、高額な健康保険料の支払いを賢く抑えましょう。詳しくは、退職前に加入していた健康保険組合に問い合わせしてください。
失業手当の受給はいつからか?
退職後の収入のあてはありますか?
失業手当の受給開始日は、退職理由によって変わります。会社都合で退職の場合、失業手当の申請後1週間の待機期間ののちに支払いが始まりますが、自己都合の場合は、1週間の待機後に3か月の給付制限期間があって、支払いが始まります。
また、ハローワークへの失業手当の申請、雇用保険の受給説明会への参加が必要になるので、退職してすぐに失業手当が受給できるわけではありません。待機期間をしのぐ、生活資金は確保できていますか?
収入や貯金がないのに、国民年金や健康保険の支払いが来て驚くことのないよう、最低限これら3つのお金は押さえておきましょう。手続きはいずれも簡単です。