管理職と専門職のキャリアの違いとは?
人材のダイバーシティ(多様性)を推進する企業が増える中で、キャリアの多様性も求められるようになりました。必ずしも社員全員が一般職から管理職を目指すキャリアを望んでいるわけではありませんし、転勤を希望しているわけではありません。
特に管理職になりたくない、出世を望まない若い世代が増えており、責任が重い割に残業代がつかなかったり、ワークライフバランスが崩れるのを嫌がったり、出世意欲がそもそもなかったりします。
会社側も管理職を目指すキャリアパスだけでなく、高い専門性を追求しながら自己成長の機会が得られる専門職(エキスパート職)のキャリアパスを作る会社が増えています。管理職と専門職のキャリアの違いとその現状について、考えます。
管理職と専門職のキャリアパスの違い
管理職になりなくないと考える人の中には、現場感覚の喪失を嫌がるケースがあります。
本当は自分がメンバーとして仕事をしながらまだまだキャリアアップを目指したい、専門性を磨きたいのに、社歴が長くなってくると会社側から管理職になって後輩の人材育成をして欲しいと打診されます。
やむを得ず管理職の道を選ぶ人もいれば、仕事に対するモチベーションが上がらないからと転職を決意する人もいます。管理職に昇進できるほどの優秀な人材を会社は手放したくないので、専門職のキャリアパスも用意して人材流出を防ぐ意味もあります。
専門職は現場目線が強く、対して管理職は俯瞰で組織全体を見られる強さがあります。また専門職は個人プレイのイメージがあり、対して管理職は自分よりもメンバーの育成や能力を見ながら、チーム全員で結果を残していくミッションが与えられるイメージがあります。
一方で中小企業やベンチャー企業などは、少ない人材で効率よく会社を運営していくために、管理職も専門職も関係なく全員がプレイングマネージャーになる傾向が強いので、管理職と専門職の違いをあまり感じられる環境にはないかもしれません。
専門職的なキャリアを歩んでいるけれども、管理職的な役割も果たさなければならない場合があり、境界線がはっきりしていない会社も多く存在しています。
専門職のキャリアを追求するためにやるべきこと
管理職にどうしてもなりたくないのであれば、転職を検討する際に管理職と専門職のキャリアパスが用意されている会社を選ぶべきです。キャリアパスがしっかり整備されている会社であれば、入社何年目に経験しておくべき業務やキャリアが専門職と管理職で明確に分かれています。
また最も大切な給与テーブルも、管理職と専門職でそれぞれ用意されています。例えば専門職は、標準的な給与モデルとは違った、業績目標に連動した給与テーブルが用意されている場合もあります。専門職(エキスパート職)のキャリアパスや給与制度までしっかり用意されていれば、専門職として専門性を追求できる環境が整っていると言えるでしょう。
一方で、管理職に求められる役割も変化しています。「自分についてこい」的な旧来型のリーダー像を管理職だと思っている方もいますが、残念ながらそういったリーダーシップを発揮しても、チームはまとまりません。
メンバーの目指す方向や仕事への思いを汲み取りながら、モチベーションを引きだせる人こそ現代のリーダーであり管理職です。これは専門職のキャリアも同じで、自分の専門性を追求しながらも、後輩の育成はやらなくてはなりません。
職場環境によって、管理職と専門職のキャリアは大きく違いますし、時代によって求められる役割もどんどん変化しています。自分が望むキャリアプランを実現できる職場を見つけることが、まずは大切になるのかもしれません。
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