40代が年収アップを狙った転職をして後悔する2つの理由

転職活動中のほとんどの方は、年収アップを狙っているはずです。リスクを取って新しい転職先を探すわけなので当然ですが、なぜか年収アップを狙って後悔する40代がいます。その2つの理由をご紹介していきます。

年収アップを狙いやすい年齢はいつ？

年収アップを積極的に狙うべき年齢について、考えてみましょう。

例えば、新卒で入った会社が氷河期などの就職難で、自分の希望する会社ではなかったとします。年収も学生時代の友人と比較して明らかに安い場合は、第二新卒の枠を活用しながら転職活動をして、年収のベースアップを狙ってもいいと思います。

20代、30代前半で本当に自分のやりたい仕事が見つかったり、大企業に就職できて会社の看板を誇りに思ったりして、お金に関係なく自分はこの仕事を長く続けていく決意があるならば、ムリに年収を上げる必要はないかもしれません。

しかし、やりたい仕事が定まっていない、給料の安さに不満があるのであれば、40代、50代の先のキャリアまで見越したうえで、転職が難しい年齢になる前に、「戦略的に」年収のベースを上げておくのはアリだと思います。

転職時の年収は、前職の年収を基準にしつつ、自社の年収テーブルと比較して決定する場合がよくあります。前職の年収が低すぎたために、新しい会社でも年収が低く抑えられるケースもあります。20代、30代で低く抑えられた年収がベースになったまま、40代、50代になって急に年収を上げるのは難しいです。

年齢を重ねたあとで年収アップしてこなかった自分に後悔しないよう、20代、30代の若いうちに戦略的に年収アップを狙って転職する。いろんな業種や職種を経験しながら、自分のやりたい仕事を見極める。そう割り切って年収アップを狙っていくのもキャリア構築のひとつのやり方です。

お金に追われながらの40代の転職活動は難しい

今は年収アップを狙う時期と割り切って転職するのではなく、お金に追われた転職は後悔の原因になりがちです。例えば、35年の住宅ローン返済のためだったり、子どもによりいい教育を受けさせるための教育ローンの返済だったり、お金を中心に考えた転職をするケースです。

年収は個々のスキル以外に、会社の業績に大きく左右されます。どんな大企業、どんなに絶好調な業界であっても、好不調の波があります。それに技術革新のスピードが早まっている現代において、業績も年収もずっと右肩上がりと考えるほうが難しいでしょう。

仮にこうした外部環境に置かれたとしても、自分のやりたい仕事ができているのなら、多少の年収の増減があっても仕事は続けられるはずです。しかし、借金やローンなどを背負い過ぎてしまうと、自分のキャリア以上に返済への意識が上回ってしまい、もし会社の業績によって年収が下がるならば、再び転職活動をすることになるかもしれません。

それに住宅ローンの審査には、勤続年数の項目があります。転職すると住宅ローンが借りられないわけではないのですが、自分の中で転職は難しいと思い込んでしまう要因のひとつになります。そうなると転職で年収アップを狙うどころではなく、今居る会社で昇進して年収を増やしていくしかないという事態に陥ります。

お金に追われた転職では、思うようなキャリアデザインが描けません。借金自体が悪いのではなく、お金に追われることで自分を俯瞰して見られなくなって、冷静さを欠いた行動になってしまうのが怖いのです。

自分のキャリアにおいて、年収アップを狙う年齢を戦略的に考え、借金返済が人生の中心にならないキャリアプランを考える。その中で自分のやりたい仕事探しをじっくりやっていけば、後悔のない転職活動につながります。

40代から年収アップは可能か？

40代の転職はどれくらいの割合で年収が下がるのか？　という記事に書きましたが、40代で年収がアップする人の割合は、約4割です。残りの6割は現状維持や減少なので、年収アップが難しい世代になったといえます。

しかし40代にもなれば、転職先を決める際の条件の優先順位に変化はありませんか？　若いときよりも強気で年収交渉ができなくなりますし、仕事があるだけでもありがたいと思う感情も芽生え始めているかもしれません。

それこそ20代、30代の頃はとにかく年収を上げることを目標に転職してきた人も、プライベートの時間を確保してセカンドキャリアについて考えたり、もっと家族のために時間を使ったりなど、40代で優先順位を考え直してみるといいと思います。

その優先順位に基づいた転職活動にシフトチェンジするべきで、がむしゃらに年収アップだけを狙っていくのではなく、50代、60代の未来まで考えた、次につながる賢い転職活動にすべきでしょう。

なかなかやりたいことが見つからない40代は多いのですが、どんな仕事をしたときに達成感があったり、モチベーションが上がったりするでしょうか？　　何がやりたいか分からないまま、なんとなく生活費を稼ぐために働くのは時間がもったいないです。天職を見つけられると、驚くほど人生が好転していきます。そして年収アップする以上の喜びをたくさん得られるようになります。

そして外部環境がどのように変わっているのかも、年収に大きな影響を与えます。例えば自分の働いている会社の業績は、右肩上がりでしょうか？　業界の未来が見えないのであれば、この先在籍しても年収自体アップしない可能性のほうが高くなりますし、リストラの候補になるかもしれません。