40代は特に注意!転職と年収にまつわる4つの嘘とは?
転職活動中、転職希望者がついてしまう嘘もあれば、企業側がつく嘘もあります。特に年収に関する嘘が多くあるので具体例を示しつつ、40代の方が特に注意しておきたい嘘を最後にご紹介します。
転職希望者が現在の年収で嘘をつく
新しい転職先で年収の大幅アップを狙うために、現在の年収で嘘をついたらどうなるか? と考える人もいるようです。
人事部の業務内容から考えれば、転職先で新たに年末調整が必要になるので、前職の源泉徴収票の提出を求められると思います。但し、1年の途中で転職する人のほうが多いので、前職の年収も満額では表記されていません。その金額をわざわざ年収に換算して、前職の年収が嘘か正しいかを確認する人は多くないと思います。
また、人事採用と給与計算の担当業務は別の場合が多いので、年収交渉する相手が源泉徴収票から前職の年収の嘘を暴くことはしないと考えていいでしょう。だから、年収の大幅アップを狙った嘘をついても問題ないのかといえばそうではなく、むしろ自分自身のほうを中心に考えてみてください。
入社の際、嘘の年収を会社に申告してしまった後悔やうしろめたさを一切感じることなく、新しい会社で働き続けることはできますか? また、何かの拍子で嘘の年収がバレてしまうことを恐れながら、働けますか? あなたのこれまでの仕事の実績や信頼が一瞬で失われてしまうことに、ちょっとでも恐れを感じるようであれば、嘘はつかないほうがいいです。
履歴書や職務経歴書で嘘をつく
履歴書や職務経歴書に嘘を書くと、経歴詐称になります。履歴書や職務経歴書に書いてある学歴や資格、これまでのキャリアなどは、入社後のコミュニケーションや仕事の役割にも影響するので、書類上で嘘をついてまで転職しようとは思わないかもしれません。
履歴書や職務経歴書の嘘はよくありませんが、事実の範囲内で実績を盛るのはありです。どうしても自分の実績ではないと謙遜してしまい、アピール不足になりがちな日本人ですが、転職の時は自分のおかげでプロジェクトがうまくいった、著しい成果を残せたと考えるくらいがちょうどいいです。文章の表現の仕方ひとつで、書類選考の印象は大きく変わります。
実績を盛った分の仕事は、入社後にしっかり自分自身に跳ね返ってくるので、その覚悟で合法的に実績を盛ってください。
理論年収を嘘の年収と勘違いする
最後の嘘は、転職1年目にもらった年収が、内定のときに提示された年収よりも著しく低い場合に、企業側に嘘をつかれたと思ってしまうケースです。
内定通知書をもらった際に、「理論年収」の文字を見たことはありますか? 理論年収は文字通り、理論上の1年間の給与です。会社の業績でボーナスが大きく変動する会社だと、昨年の業績に基づいて年収を計算して提示する場合もあります。
わたし自身も理論年収で提示された経験がありますが、実際もらった年収と乖離がありました。
入社時期が期の途中であれば、当然満額の年収はもらえません。またボーナスも、今期の実績が昨年と比べて悪かった場合は、理論年収の金額に到達しない可能性もあります。あるいは、今期から新しい給与体系を適用していて、実際の年収が理論年収より下がる場合もあります。
理論年収は嘘の年収ではありませんが、今考えると理論年収を提示してきた会社の年収は、内定通知書に書かれた年収を下回るケースが多かったです。理論年収ではなく、ずばり年収がオファーレターに書いてあった会社の場合は、ボーナスも含めて年収を16分割して支払うと明示されており、内定通知書通りの年収をもらいました。
年収に関しては、転職前にその業界の年収の相場観を調べておいたり、転職エージェントに年収相場を教えてもらったりするなどして、市場の年収相場と自分の年収に大きな乖離が生まれないように準備しましょう。
40代を対象にした転職サイトのスカウトメールの嘘
最後にもう1つの嘘を追加して、終わります。
転職経験が豊富で、転職サイトや転職エージェントを何度も利用した方なら、スカウトメールの嘘を見抜けると思いますが、特に40代を狙ったスカウトメールが転職サイトから届くケースがあります。
30代のうちは自分の力で転職先を見つけやすいので、スカウトメールが来てもそれほど興味を示さなくて済むのですが、40代でなかなか内定がもらえずに転職活動が長期化して、時間や経済的余裕がなくなってくると、どんな求人でもいいから応募しようと、ついスカウトメールに応募したくなるのです。
特に不人気の会社、業種、職種などから、40代の転職サイト登録者を狙ってスカウトメールが来ます。自分のキャリアとは全く関係のないスカウトメールまで来るようになりますが、だからといって自分に市場価値があると勘違いしてはいけません。
とにかく人材が不足していて今すぐにでも次の人材が欲しいために、大量にスカウトメールを送っているのです。実際に応募しても、企業から返答がないケースもあります。スカウトという言葉の響きが誤解を生んでしまっている可能性がありますが、本当のスカウトとは違います。
中には離職率が高い会社も含まれていて、常に求人募集をかけていないと業務が回らない会社が、何度もスカウトメールを送ってくるケースもあります。わたしにも何度もスカウトメールが送られてきましたが、キャリアとミスマッチで応募はしませんでした。
こうしたスカウトメールが来る一方で、本当にあなたのスキルやキャリアを評価してスカウトメールが来る場合もあります。すぐに判断できるので心配する必要はありませんが、見逃してしまう可能性もあるので、注意してスカウトメールを確認してください。