50歳からの人生を豊かにするための仕事 今考えておくべき3つのこと
50歳を迎え、60歳の定年退職まで残り10年と考えていた方も65歳定年制への移行が始まり、15年働けるようになりました。さらに国は、企業に対して70歳までの就業機会を確保するよう促しています。
50歳になっても20年以上働ける環境が整いつつある今、50代は何歳まで働きたいと思っているのか、そして何のために働き続けるのかについて、調査してみました。
50代はお金を稼ぐ仕事を何歳まで続けたいか?
内閣府が調査した「老後の生活設計と公的年金に関する世論調査」(2018年)から、50代が考える働き方のホンネが見えてきました。この調査のポイントは、収入を伴い、対価の発生する仕事について聞いている点です。50代になるとボランティアなどで社会貢献活動をする人が増えますが、そういった仕事は含まれません。
調査の結果、50代は男女ともに「61歳から65歳」までお金を稼ぐ仕事を続けると回答した方が最も多かったのです。
50代はなぜその年齢まで働きたいのか?
なぜ、50代は「61歳から65歳」まで、収入を伴う仕事を続けたいと考えているのでしょう?
50代男性で最も多かった回答は「働き続けないと生活費が足りないと思うから」、50代女性は「経済的にゆとりある生活を送りたいから」でした。男女で考え方に差はありますが、どちらも「お金」が必要だから、働き続けなくてはならないと考えています。
具体的には、50歳までに築いた貯金や株式などの資産、役職定年を迎えたあとの収入減、住宅ローンや子どもの教育費、親の介護費用を考慮しなければなりません。その結果、50代男性は現実的にお金が必要と考え、50代女性は老後を楽しむためにお金が必要と考えているようです。
このように、お金のために働き続ける必要があると考える50代が多い一方で、興味深いデータがありました。
50歳を過ぎると仕事が好きになる
収入を伴う仕事を続ける理由のひとつに、「仕事をするのが好き」という回答が多くありました。しかもこの割合は、50代、60代、70代と年齢が上がるにつれ、男女ともに増えていきます。
お金は必要、だけど仕事そのものが好きと思える価値観の変化が、50代以降になると生まれるようです。「仕事は生きがい」という言葉があるように、50歳を過ぎたあたりから、まさに言葉どおり行動できる人が増えるということです。
50歳からの仕事に求めること
50歳を過ぎると、会社での居場所がなくなり、転職のチャンスも少なくなると思いがちです。役職定年を迎え、これまで上司だった自分が部下となり、年収も下がって、仕事へのモチベーションを失う方もいます。
しかし、年を重ねるにつれ、仕事そのものが好きになる方が多いのは、なぜでしょう?
それは、年収や肩書き、会社の知名度に頼らない会社選びなど、お金だけではない、本当にやりたかった仕事選びが50代になって初めてできるようになるからです。
自分の人生の残り時間がどれくらいあるのか、いくつまで健康な状態で仕事ができるのかを考えたとき、50歳からの仕事選びは、20代、30代とは違うものになるはずです。自分の残りの人生を有意義に過ごすために、改めてできる仕事、やりたかった仕事が、自然と見えてくるのではないでしょうか?
人生のゴールを意識し始める50代。老後を隠居生活で終えるのではなく、社会から必要とされる人間であり続けたい、お金やポジションではない社会的評価を受けたいと考えながら、仕事を通じた生きがいを見つけるのだと思います。
50歳になったら一度、これから始められる仕事、やりたかった仕事について、改めて誰かとじっくり話し合う機会を設けてみましょう。
50代からの仕事探しで気をつけるポイント
これまで転職経験のある人なら、転職サイトや転職エージェントを使った仕事探しから始めようと思うかもしれません。しかし50代になると、転職サイトや転職エージェントを使った仕事探しはかなり狭き門になります。
転職エージェントの登録者のほとんどは50代の自分より若い世代になりますし、圧倒的なスキルやキャリアでもない限り、転職エージェントには登録できない可能性が高いです。一方、転職サイトは年齢に関係なく登録できますが、書類選考の通過率は低いと覚悟しておいたほうがいいです。
ハローワークなら50代でも仕事探しができると思われるかもしれませんが、こちらも厳しいと覚悟しながら仕事探しをすべきです。民間の求人サービスとは違った業種や職種が多くありますが、希望する職種の求人がないなど偏りもあります。
また企業側も転職サイトやハローワーク経由など複数のルートからの求人募集を行っているので、結局は自分より若い世代との戦いになります。
50代からの仕事探しは、これまでとは違うルートの活用がポイントです。最も活用して欲しいルートは、リファラル採用です。昔で言うコネ採用ですが、現代のリファラル採用はコネ採用とは全く違います。
まずは友人や元同僚に求人はないか、直接聞いてみてください。コネ採用時代のイメージから、声を掛けること自体、ためらいがあるかもしれません。しかし3桁を超える応募でも面接までいけない人もいる50代の現実を考えると、友人に相談したほうが仕事探しの効率もいいのです。
もちろんあなたを会社側に紹介する友人や元同僚も、仲がいいだけで採用してくれるほど甘くはありません。一緒に働いていたころのスキルや人間性など、紹介に値する人物かどうかを見極めておかないと、会社での信頼を落としてしまいます。
50代求人を探している企業に見つけてもらう
これまでの求人探しは、転職サイトやハローワークなどで仕事を探すという手法でした。ルートの違いはありますが、50代になるとどの仕事探しのルートも厳しいのが現実です。
発想を変えて、自らをtwitterやFacebook、InstagramなどSNSで発信し、逆に企業側に見つけてもらう方法もあります。アカウントを作って発信を始めたら、企業側がすぐあなたを見つけてくれるほど甘くはありませんが、新しいルートの掘り起こしには役立ちます。
自分のキャリアに関連する得意分野の話をつぶやいてもいいでしょう。あるいは近況報告だけでもいいかもしれません。その1つの発信を元会社の同僚がたまたま見ていて、久しぶりに連絡をもらえるかもしれません。バズって、企業人事の目に留まる可能性だってあります。
書類選考で落とされてどうにも前に進めないと悩んでいるくらいなら、試しにSNSで発信してみるといいです。即効性はなくとも、仕事探しの化学反応が起きるきっかけにはなります。
50代から未経験の仕事探しをするにあたって
書類選考も面接も不合格が続くと、未経験の職種でもいいから応募してみようという気持ちになります。それだけ金銭的に追い詰められていて、何でもいいから仕事が欲しい状態なのかもしれません。
しかし50代は即戦力を期待されていることが多いので、未経験の仕事はより採用される確率が下がります。しかも年齢だけで覚えが悪いと判断される場合もありますし、未経験だと収入減も避けられないでしょう。また正社員よりも、非正規として採用される可能性も高くなります。
元々若い頃からやりたかった未経験の仕事と、転職活動が厳しくなってやむを得ず手を出した未経験の仕事とでは、モチベーションが違います。前者なら収入に関係なく長く働けるかもしれませんが、後者なら長続きせずに退職して、再び大変な転職活動を始めることになるでしょう。
自分は何歳まで働き続けるつもりなのか、働き続ける理由は何なのか、年を重ねてもその仕事が好きと思えるのか、この3つのポイントを抑えながら、50歳からの仕事の未来について考えてみましょう。
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