キャリアプランはなぜ必要? プランの立て方や職業別プラン例も紹介

キャリアプランはなぜ必要? プランの立て方や職業別プラン例も紹介

「自分のキャリアプランを考えてみる」といっても、なかなかすぐには思いつかないものですが、現在の社内での立場や部署異動、転職、起業など職業に関わるあらゆる面で将来の選択をする際の助けになります。企業側も採用や社内の評価で注目している点であるため、特に転職時は面接などでキャリアプランについて聞かれることもあります。

働き方の多様化が進む今、なぜキャリアプランの考え方が重要視されているのでしょうか。また、実現可能で有益なキャリアプランを立てるためには何を考えればよいのでしょうか。本記事ではキャリアプランの必要性と立て方、職業別のキャリアプラン例について解説します。

キャリアプランとは

キャリアプランとは、自分の将来的なビジョンや理想とする働き方を具現化するための行動計画を指します。自分が今後どのようなキャリアを積んでいくか、将来像を実現するために何をすべきかを洗い出し、必要なスキルや経験、資格を取得するための行動を計画します。

キャリアパスという言葉もありますが、これは一つの企業に限定された目標設定とそれを実現するための道筋を意味します。例えば、社内での昇格や異動など自分自身の目指すべきポジションや業務に就くことを目指します。これに対して、キャリアプランは職業全般が領域のため転職や起業、独立も含みます。

転職活動におけるキャリアプランについては、こちらの記事で解説しています。併せてご一読ください。

転職者向け・社内向けキャリアプランの書き方の違い

なぜ転職時のキャリアプランは思いつかないのか?

 

キャリアプランはなぜ必要か

キャリアプランは個人の目標であり、人によって全く異なる内容になります。キャリアプランを立てることは企業に所属する人であっても、独立して働いている人であっても、共通して必要なことであるといえます。ここでは、転職を視野に入れている方にとってキャリアプランが必要な3つの理由を解説します。

1.主体的なキャリア形成のため

これまでは終身雇用がスタンダードといわれる時代で、終身雇用制度を実施する企業では、入社から定年まで1つの企業で働き続ける社員は年功序列によって昇進・昇給が望めました。

しかし、時代の流れとともに終身雇用制度の当たり前ではなくなり、1つの企業で納得するキャリアを形成することが難しいと感じる人も増えているようです。企業側の導きに従うだけではなく、働く本人が自ら考え目標やゴールを設定し、計画を立てることへの必要性が高まっています。

なお、40代で自身のキャリアについて不安を感じている方は、こちらの記事をぜひ御覧ください。

40代キャリアの見直しは「失敗したとき」や「つまずいたとき」にやるといい

2.モチベーション維持のため

日々の業務内容に変化のない職場環境では、仕事へのやりがいを見出せずにモチベーションの低下につながることは珍しくありません。生産性やパフォーマンスの停滞も伴い、社内での評価にも影響が出やすくなります。

キャリアプランを作成し目標を追求することで、目指すべきゴールまでのプロセスや日々の努力がより意味のあるものに感じられ、モチベーションを維持しやすくなります。

3.企業へのアピールのため

自己分析により自分自身の強みを把握することで、社内での自分の立ち位置ややるべきことが明確になり、パフォーマンスや生産性の向上が期待できます。それに伴い、企業からの評価も高まり昇進や昇給につながる可能性があります。

転職活動においても、多くの企業が面接時にキャリアプランについて質問し、企業が求める人材かどうかを判断基準の一つとして役立てています。具体的なキャリアプランを立てている人材は、一貫性のある受け答えができ説得力のある自己PRにつながりやすくなります。

また、キャリアプランは転職先を選ぶための判断材料としても有効です。キャリアプランを100%満たせる企業と出会うことはなかなか難しいですが、より良いと思える転職先を選ぶことで、転職後も自分の強みを発揮しながら活躍する人材になれるはずです。

 

職業別キャリアプランの例

業種や職種によってゴールは異なります。ここでは、職業別のキャリアプランの具体例を3つご紹介します。

1.営業職の場合

営業職の場合、セールステクニックの習得が必須です。キャリアプランは、新規顧客の獲得や既存の顧客の維持に焦点を当てることが一般的です。

▼キャリアプランの例

項目 概要
短期目標(2年) 市場と競合状況を徹底的に研究し分析力、提案力、問題解決能力を鍛える。新規顧客獲得のスキルを向上し、年間売上を10%増加させる。
中期目標(5年) 自分自身の活躍するフィールドを広げると同時に、営業チームのリーダーとして、チームメンバーの指導とモチベーション向上に注力する。
長期目標(10年) 営業マネージャーとして業界での認知度を高めるとともに、統括する立場として企業全体の戦略的指導を行うポジションを目指す。

2.システムエンジニアの場合

システムエンジニアの場合、専門分野に特化したスペシャリストと幅広い知識・スキルを持ったゼネラリストに大きく分けられます。移り変わりの激しいIT業界では、いずれも最新動向のチェックを怠らず、最先端の知識と技術を吸収していくことが求められます。

▼キャリアプランの例

項目 概要
短期目標(2年) プロジェクトメンバーの一員としてプロジェクトの成功を目指し、知識・技術の吸収と経験を積む。
中期目標(5年) プロジェクトリーダーとしてのポジションを獲得し、プロジェクトの実務全般の管理能力を磨く。
長期目標(10年) プロジェクトマネージャーとして幅広い知識を維持し、専門的な知識と経験を積みながらマネジメント力を鍛え、上位のポジションを目指す。

技術職のキャリアプランについては、こちらの記事で詳しく解説しています。ぜひご確認ください。

技術職のキャリアプランと専門職との違いとは?

3.一般事務の場合

一般事務職のキャリアプランは、オフィス管理や業務の効率化に注目するのが一般的です。企業によっては業務が細分化されており、1つの業務を任される場合もあります。今後、AIに切り替わる業務もあると推測されることから、専門性の高い事務職にシフトしていくという方法もあります。

▼キャリアプランの例

項目 概要
短期目標(2年) 業務の効率化とパソコンスキルを含めたデータ管理能力の向上を図り、事務職のスペシャリストを目指す。
中期目標(5年) 事務管理部門のリーダーとして、コミュニケーション能力やリーダーシップスキル、提案力を養い、部門の調整とプロジェクトの効率化に貢献する。
長期目標(10年) 組織全体の統括マネージャーとして新人教育にあたると同時に、より効率的な業務改善を図り、企業の運営に大きく貢献する。

なお、メーカーで働く方のキャリアプランについては、こちらの記事で解説しています。併せてご一読ください。

メーカーにおけるキャリアプランとは?

 

キャリアプランの立て方

キャリアプランは、最初に目標を設定し達成するためのプロセスを逆算していく方法が一般的です。少なくとも次の4ステップを踏むことが必要です。

1.自己分析・キャリアの棚卸し

成功と失敗体験を含めたこれまでの実績、知識とスキル、得意・不得意の業務などを振り返ります。職場経験のなかで、やりがいや興味を持ったこと、充実感や満足感をもたらしたことなどの心理的な部分や考え方も掘り下げます。

自分の現状を洗い出すことで、弱み・強みを把握するとともに、自身の価値観を理解し、キャリア目標を設定する土台を築きます。

2.将来の目標の設定

自分が携わりたい仕事、目指したい業種や職種、ポジションは何かなどさまざまな角度から将来像をイメージし目標を設定します。

その後、自己分析を踏まえキャリアプランが実現可能であるか、理想と現実にギャップがないかをチェックします。現在の勤務先で目標実現の可能性を考え、実現可能と判断できれば次のステップにつなげます。実現できない場合には転職や起業も視野に入れます。

現実的なキャリアプランの立て方については、こちらの記事で解説しています。ぜひご覧ください。

希望の年収?働き方?現実離れしないキャリアプランの立て方と例文集

3.実現するための期間の設定

将来の目標に到達するために具体的な年数を用いて、現在から2年後、5年後、10年後などに時間軸を区切り、短期目標から長期目標、そして将来像を最終目標に掲げます。目標達成までのタイムフレームを設けることは大きな目標を達成するうえで重要なポイントです。

期間目標を設定することで、より具体的なキャリアプランを描けるだけでなく、その都度確認と調整が可能です。同時に達成感も味わえるため、モチベーションを維持しながら計画的に進められます。

4.目標実現のための対策

目標達成までの過程では、時代や環境の変化に適応する柔軟性も必要です。目標実現に最良なプロセスと考えれば、特定のタイムフレームで現在の勤務先から転職や起業へ移行することもあるでしょう。

40代、50代の転職者に対して、企業は管理職やリーダーシップを発揮できる人材を求める傾向です。長いキャリアを通じて築いた豊富な経験や専門知識を最大限に活用し、次のキャリア構築に臨む姿勢が大切です。過去の成功体験と失敗体験から学び自分の市場価値を更新したキャリアプランは説得力を持たせ、採用時に有利に働きます。

 

キャリアプランが思いつかないときは

キャリアプランを立てることは、目指すべき道が明確にし、より充実したキャリアを築く手助けをします。キャリア形成を支えるために必要不可欠ですが、キャリアプランが思いつかないこともあるかもしれません。その場合には「年収を増やしたい」「昇進したい」「仕事とプライベートの両立を図りたい」といったものでも構いませんので、まずは目標を設定してみましょう。目標を達成した周囲の人の経験から学ぶことも役立ちます。

それでも具体的なキャリアプランを立てられない場合には、一人で悩まずに転職エージェントなどの専門家やキャリアアドバイザーからアドバイスを受けることを検討してみてください。

CanWill』は、キャリアプランの立て方から目標達成に向けたアドバイスをしています。キャリア全般に精通した専門家がサポートしますので、安心してご相談ください。

こちらの記事では、専門家と考えるキャリアプランについて解説しています。併せてご一読ください。

【専門家と考えるキャリアプラン】具体的な相談事例や相談内容とは?

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『Can Will』では、第一線のキャリアコンサルタントが、ミドル・シニア世代のあなたの強みや志向を掘り下げて、納得感の高いキャリア相談を行っています。 「転職すべきか、今の会社で働き続けるべきか?」、「自分の強みが分からない」、「職務経歴書の書き方が分からない」、「自分の市場価値について客観的な評価ほしい」。 このようなキャリアに対するお悩みやモヤモヤがありましたら、ぜひ一度『Can Will』のキャリアプロフェッショナルにご相談ください。