40代キャリアの見直しは「失敗したとき」や「つまずいたとき」にやるといい
40代の多くは、自分のキャリアに不安を抱えています。具体的には、これまで築いたキャリアに自信がない、40代になってキャリアが停滞している、これから先のキャリアの見通しが立たないなどの不安があります。
それなのに漫然と仕事を続けてしまって、キャリアの不安を先送りしがちです。50代を迎える前にやっておくべき、40代でのキャリアの見直しについての提案です。
40代の不要な忙しさを捨てる
40代のキャリアを見直すために、まずは「不要な」忙しさを捨てましょう。
40代で仕事が充実していて、50代、60代になっても同じ仕事を続けていく意欲があり、そのキャリアで生涯やっていくと決めているのなら、今の仕事の忙しさは必要なものです。
しかし、今のキャリアで生きていこうと考えていなかったり、仕事がライフワークというより、すでにライスワーク(ご飯を食べるためだけの仕事や活動)になっていたりするのなら、それは「不要な」忙しさです。一度立ち止まって、自分のキャリアについて考えないといけません。
忙しさで時間を浪費し、気づいたときには40代後半を迎えているかもしれません。50代の役職定年が近づいてから、キャリアの再構築や、転職・独立を考えているようでは、時すでに遅しということにもなりかねません。
まずは時間を奪う不要な忙しさを捨てて、立ち止まって40代のキャリアについて考える時間を作りましょう。
40代キャリアの見直しは失敗やつまずきを利用する
40代にもなると、安定した職場環境が固まっていて、変化が怖いと感じる方もいるかもしれません。
しかし、東日本大震災のような自然災害や新型コロナウイルス、リーマンショックなど、10年も経たないうちに大きな外部環境の変化が次々とやってきます。その都度、今の働き方でいいのか、時間の使い方はこれでいいのかと、自問自答する機会がやってきます。
そうしたきっかけを利用して、キャリアを見直してもいいですし、ご自身のキャリア上の失敗やつまずきを利用しながら、キャリアを再構築するのもいいと思います。
例えば、予期しないリストラや、希望しない配置転換などで、これまで築いてきたキャリアと一緒にプライドまで失い、先が見通せなくなる場合もあります。決して自分自身の責任だけではないのですが、総じて自分の失敗や挫折と捉えがちです。そんなときほど、本気で自分自身と向き合うものですし、キャリアを見直す強いモチベーションにもなります。
30代のリストラをきっかけに40代が充実した女性の話
わたしの元同僚の女性は、30代で突然リストラに合いました。そのことをさぞかしショックに思っているのだろうと思って、話を聞いてみると、「むしろ30代でリストラにあったおかげで、40代で本当に自分のやりたかったことができている」と言っていました。
自分のキャリアに何の疑問も持たず、大きな失敗やつまずきを経験しない40代のほうが、実は不幸なのかもしれません。キャリアにつまずいたとき、「災いを転じて福となす」と思えるメンタルを持ち合わせていますか?
時代の変化のスピードが加速しつつある今、変化できない自分に不安を抱える方はいます。また、不安を抱えるだけで、行動に移せないでいる方も多いです。どうすれば重い腰を上げて、キャリアを見直すのでしょう?
40代からのキャリアで考えておきたい健康の話
40代はまだ健康面に不安はなく、元気で働けているかもしれません。
しかし年齢を重ねると、誰もが健康面で不安を抱えるようになりますし、体力も落ちてきます。健康や体力に不安を抱えると、自分の思っているようなパフォーマンスが発揮できなくなるだけでなく、40代より先のキャリアの見通しまで立たなくなります。
40代の有名人が病気になったり、大きな精神的ストレスを抱えたりして、キャリアアップよりも身体の回復を優先するニュースを見たことがあると思います。もし自分自身が病気になって、今のように普通に働けなくなってブランクができたとき、自分ならどうやって元のキャリアに戻るかを考えてみるのもいいでしょう。
例えば自らの病気の経験や健康の大切さを説いた書籍を出版して、全国各地を回って講演する未来を想像してもいいでしょう。体力に合わせて、年収よりも自分のやりたかった道へキャリアチェンジするのもいいでしょう。
まさか40代で健康によるキャリアの中断はないだろうと思っているかもしれませんが、万が一のことを考えたシミュレーションはムダにはなりません。むしろそういった状況が起こったときに、自暴自棄にならずに慌てずに対処できるようになります。
健康面のシミュレーションをしてみると、今自分が健康で元気で働いていることのありがたみを感じられるはずです。そこから40代の今、どういうキャリアを積み上げておくといいのかも分かると思います。また40代でやっておくべきことを先送りしてきた人も、重い腰を上げるきっかけにもなります。
40代のキャリアを考えつつ、自身の健康面へのケアも忘れてはいけません。健康だからこそのキャリア形成なので、食事や運動などに気を使いましょう。健康診断や人間ドックなどの定期健診もしっかり行ってください。
ここに挙げた社会環境の変化やリストラや配置転換以外にも、キャリア関連の書籍を読んだり、キャリアコンサルタントに相談したり、研修を受けたりなど、機会はたくさんあります。40代のキャリアに不安を抱えたり、挫折を味わったり、つまずいたりすることを「チャンス」と捉え、自分のキャリアを見直してみてください。