40代からの転職は資格を取得すればうまくいくのか?

40代からの転職は資格を取得すればうまくいくのか?

40代からの転職を成功させるために、国家資格や民間資格を取得しておこうと考える方もいると思います。

40代に求められるのは、ポテンシャルよりもこれまで培った経験やスキルです。それゆえ、40代から新しく資格を取得して転職活動をしても、「付け焼き刃」に見えてしまいます。それでも、国家資格や民間資格の取得を目指すメリットは、転職「以外」のところにあります。

40歳からの転職で資格を取得するメリット

学生時代に勉強を頑張っていた方でも、社会人になってから、ましてや40歳を過ぎてからは、机に向かって勉強していない方は多いかもしれません。試験問題を解いたり、暗記をしたりするのは、かなり久しぶりではないですか?

40代で資格を取得するメリットは、資格そのものの価値はもちろんありますが、40歳を過ぎて自分の脳を極限まで働かせる機会が得られることです。20代、30代と比べ、40代になると資格勉強をやっても、なかなか頭に入っていきません。記憶に定着するまで、何度も何度も繰り返し勉強が必要になります。また、40代という体力的な衰えもあり、集中力が続きません。

わたしも40代で2つの民間資格を取得しましたが、学生時代の感覚で暗記ができませんでした。単語や用語を学生時代の2倍以上の時間をかけて覚えていったのですが、40代の自分の脳の働きを知れただけでもメリットがありました。

暗記に時間はかかったものの、40代から資格をとったり、勉強したりするのも悪くないと感じたのです。また、50代、60代になってから資格取得するより、若い40代で資格を取ったほうが苦労しないと実感しました。

そして、学生時代とは勉強の意味合いが大きく違います。勉強をしなければ卒業できない、単位がもらえない当時と違って、40歳からの資格取得は、本当に自分がやりたいこと、興味のあることに絞って勉強ができます。学ぶことの楽しさやうれしさは、学生時代よりもむしろ40代のほうが大きいと思います。

ただ、勉強だけが仕事だった学生とは違って、資格取得の勉強と仕事や子育てや介護などを両立させる必要があります。時間的な余裕がない中で、いかに勉強時間を確保するかが課題になります。

なぜ40代で資格を取得したいと思ったのか?

そもそも40代になった今、なぜ資格に挑戦しようと思ったのでしょう? 履歴書や職務経歴書の資格欄が寂しいから、転職の成功確率を上げたいから、純粋に資格にチャレンジしたいからなど、理由はさまざまだと思います。

冒頭に書いたとおり、40代の転職において資格を取得したからといって、転職の成功確率が急激に上がるわけではありません。なので、転職のためだけに資格を取得するのではなく、自らのセカンドキャリアのためや本当にやりたかったこと、仕事や育児で勉強できなかった時間を40代の今から取り戻すなど、純粋な気持ちで資格の取得を目指して欲しいです。

履歴書や職務経歴書のためだけに、資格の勉強をしても楽しくありませんし、続きません。資格から学びたいこと、やりたいことと転職活動がリンクしていると、面接で勉強熱心と評価されることもあります。また、そうした学習姿勢は、面接の際に熱量を持って話せるので、転職活動が好転していく可能性もあります。

40歳からの転職を成功させるための資格取得を目指すのではなく、自分が本当に楽しいと思えること、50代、60代になってもその資格を使って仕事をする、食える資格に挑戦するなど、長期的なキャリアを考えながら資格の勉強をしてみましょう。資格取得からセカンドキャリアや次の仕事につながる可能性もあるので、勉強は決してムダにはなりません。

40代からの役立つ資格取得とは?

企業人事や転職サイト運営会社、資格アドバイザーなどの専門家が選んだ、40代から学び直しに役立つ資格のランキングが、日本経済新聞の記事にありました。

それによると1位は中小企業診断士、2位は社会保険労務士、3位はITストラテジスト、4位は情報セキュリティマネジメント試験、5位は応用情報技術者でした。

上位にランクインした資格の特徴として、企業でDX推進の動きがあるのでITや技術系の資格が増えています。ビジネスの変化が早く柔軟に対応するために、システムの内製化が進みニーズが増えているようです。

ランクインしている資格と自分のこれまでのキャリアはマッチしていましたか? もし自分のキャリアとマッチしていなかったとしても、思い描いているセカンドキャリアやこれからの人生でやりたいことと直結しているのであれば、資格取得の勉強をする価値はあると思います。

仮に40代で資格を取得していずれ独立する道を選ぶとしたら、自らで営業活動が必要になります。会社員時代に営業活動の経験がない人でも、仕事を取ってくるためにはどうしても営業活動は必要で、資格だけで向こうから仕事がやってくるわけではありません。

資格取得をゴールにするのではなく、そのあとの顧客獲得や仕事を得るまでのプロセスまでシミュレーションしてみましょう。これまでの人脈を生かした営業をする、ブログやSNSなどネットを中心とした営業活動をする、営業をアウトソーシングするなど、様々な方法が考えられます。

最終的に資格取得はビジネスのきっかけでしかなく、最終的には資格ではなく自分自身の価値に集約されていきます。資格は肩書きになるので相手にすぐ分かってもらう意味では便利ですが、その後のビジネスを続けていくうえではあまり関係ありません。

資格取得の先まで見据えてから、資格の勉強をしましょう。

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