40代の転職はどれくらいの割合で年収が下がるのか？

厚生労働省の令和２年（2020年）転職者実態調査の概況を使って、40代の転職による年収の変化を見ていきましょう。

転職による労働条件（賃金）の変化で「増加」と答えた40代の割合を年齢別に見ていくと、40歳～44歳で41.7%、45歳～49歳で39.7％となっています。一方「減少」と答えた割合は40歳～44歳で37.4%、45歳～49歳で32.5％でした。

30代のデータも合わせて見ていくと、「増加」は30歳～34歳で48.6%、35歳～39歳で40.6％となっています。一方「減少」と答えた割合は、30歳～34歳で32.8%、35歳～39歳で37.7％でした。

年収が下がる割合は35歳を境に増えていて、そこから40代を通して横ばいになっています。ちなみに50歳～54歳は、53.2％と急激に割合が増えます。40代の転職で年収が下がる割合は、平均すると約35％くらいはいるということになります。一方で増加の割合が4割を超えているので、40代の転職による年収の変化は増加・減少、どちらにも転ぶ可能性があるということでしょう。

40代で転職を決意する理由

同調査で40代（40歳～44歳）が転職した理由を上位から見ていくと、

1. 満足のいく仕事内容でなかったから
2. 労働条件（賃金以外）がよくなかったから
3. 会社の将来に不安を感じたから
4. 人間関係がうまくいかなかったから
5. 賃金が低かったから

調査結果にはおそらく反映されていませんが、昨今の社会情勢から会社の業績悪化、解雇・倒産なども現在は増えていると予想されます。この調査結果から、40代前半では賃金以外の理由で転職を決めている人が多いと読み取れます。

40代にもなると、20代や30代のときとは違って年収アップに対して貪欲さがなくなってくるのも事実です。40代後半はリストラになる人もいるので、職場でのポジションをしっかり確保しつつ、年収は現状レベルでも構わないからストレスなく仕事が続けられる環境を求めるようになるのだと思います。

40代で年収が下がる割合はもっと少ないかも？

年収の上下を最優先に考えた転職であれば、40代で約35％の人が年収が下がることをリスクと考えるかもしれません。

しかし35％の人の中には、年収を下げてでも新しい職場で働きたい、精神的に病んでまでこの職場にはいたくないという人も含まれていますし、転職活動が思うようにいかず、収入がゼロになるのだけは避けたいから、年収が下がることを受け入れて次の転職先を決めた人も含まれています。

なので仕事内容に満足してない、会社の将来に不安を感じる、賃金が低いなどの理由で転職活動をしている人だけを抜き出して調査をすれば、おそらく40代の年収の上がる割合はもっと高くなると思います。ここで示したどちらの理由で転職を決めるかでも、年収の上下は変わってきます。

40代以降の人生を楽しく過ごせるか？

どうしても忘れがちなのが、自分の健康です。40代はまだ若いから大丈夫と考える人もいれば、40代から先は病気のリスクもあると考える人もいるでしょう。

いずれにせよ健康でなければ仕事は続けられませんし、もしも病気で倒れてブランク期間が長くなってしまったら、元の仕事に戻れなくなる可能性もあります。なので40代になったら、年収だけでなくストレスのない職場環境を追求してみるといいと思います。残業時間の多さや通勤時間などの勤務環境、人間関係も含め、今の職場は楽しく仕事ができそうですか？

40代を過ぎると、年収以外の重要度が高くなっていきます。残りの人生を楽しく、後悔なく過ごすためにどんな仕事をどんな環境でやるのかを、真剣に考える時期なのかもしれません。