カスタマーサクセスに向いている人とは?
カスタマーサクセスという職種をご存知でしょうか? カスタマーサポートと混同してしまう方もいるかもしれませんが、SaaS企業にある職種です。SaaSやSaaSの職種の詳細については、SaaS営業への転職と今後の市場価値とは? を参照してください。
カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違い
カスタマーサクセスとカスタマーサポートの違いを一言で表すなら、能動的か受動的かの差になります。カスタマーサポートはクライアントや顧客からの問い合わせが仕事の起点になり、受けた内容から問題や課題を解決する役割があります。問題や課題が解決すれば、仕事は一区切りとなります。
対してカスタマーサクセスは直訳すると顧客の成功になりますが、顧客自体も理解していない問題に対して、先手を打って対策したり、解決したりする役割があり、仕事は能動的に行われます。さらにカスタマーサポートのように問題が解決すれば終わりではなく、クライアントと継続して仕事を行います。
こうした違いのあるカスタマーサクセスですが、どんな人が向いているのでしょう?
カスタマーサクセスに向いている人
SaaSの職種の中で最もクライアントと近い距離にあるのが、カスタマーサクセスです。クライアントの満足度を高めつつ、プロダクトの解約率をいかに下げるかが仕事の目標になります。クライアントと長期的に付き合う必要があり、その中で信頼を構築していきます。
当然コミュニケーションスキルの高さは必要になりますし、信頼関係を深めるためには、的確なソリューションを提供できないといけません。しかし仕様上どうしても解決できない場合もあるので、もどかしい場面もあると思います。また日々のクライアントからの要望や問題解決は、SaaS企業の他部署へフィードバックを行うことでプロダクトの強化にもつながります。
顧客の最前線にいる立場を活用して、プロダクトの改善につなげていかなければなりません。それができないと結局、解約率が高まってしまうので、クライアントとの関係も大事にしつつ、社内に対してのフィードバックも大切になります。
クライアントとの距離が近い分、クレームを引き受ける仕事もあります。クレームを素早く解決することで、信頼度は高まります。またクレームは宝と言われるくらいなので、精神的にはつらい仕事ではありますが、プロダクトの改善には大きい役割を果たします。
板挟みのようにもなりますが、この環境をストレスを感じることなく楽しめる人こそカスタマーサクセスに最も向いている人だと思います。クライアントと一緒に、プロダクトの成長を感じられる喜びもあります。
カスタマーサクセスの情報共有が機能しているか?
カスタマーサクセスが解決した問題を、いかに情報として一元管理できているかがSaaS企業の課題になります。職人的に個々で解決するのではなく、横のつながりや他部署とのつながりがきちんと整備されていることで、初めてカスタマーサクセスの情報が生かされます。
社内の情報共有がうまくできていれば、クライアントからの要求や課題にムダな時間を取られることはありませんし、仕事の重複も避けられるかもしれません。
こうした社内の情報共有がきちんとできている職場かどうかも、転職先を選ぶ際のひとつの基準になります。そうでないとカスタマーサクセスとしてムダな仕事が多くなりますし、解約率にも影響します。
クライアントと仕事をして会社の効率化が進んだ、業務が改善して喜んでもらえたなど、成果の分かりやすい職種でもあります。ひとりで何かをやるよりも、チームやクライアントと何かを成し遂げるのが好きという方はカスタマーサクセスに向いている人です。