管理職に求められる5つの能力
管理職のあるべき姿の例として、
- リーダーシップを発揮できる能力が備わってないといけない
- 業務を確実に遂行できる能力がなくてはいけない
- チームに対してビジョンを示せる人でなくてはならない
などがあります。部下(チームメンバー)が最も仕事上で意識しているのは評価者である直属の上司なので、管理職としての役割をしっかり果たさなければならないと考える人も多いと思います。
一方で、自分自身のキャリアの中で管理職の経験はどのような位置付けになっていますか? どうしても部下の目ばかり気になってしまうかもしれませんが、自分自身はもっと大切です。周りの目ではなく、自分を中心に考えたときに管理職として必要な5つの能力をご紹介します。
管理職としての現在地を悟る能力
あなたが管理職に昇進したとはいえ、それはキャリアの通過点でしかありません。さらに上には、役員や経営者のポジションがあり、今の管理職のポジションはあなたの上司から見るとステップアップの一つとしか見えていない可能性があります。
ポジションが上になるほど、抱える部下の数も増えていきます。管理職としての理想を追い求めているかもしれませんが、ポジションにはさらに上があります。会社のヒエラルキーの中で、自分がどこに位置しているのかを冷静に見極める能力が大切です。
管理職として孤独に耐える能力
経営者ほどではありませんが、管理職になると孤独になる機会が増えます。平社員時代は部署の同僚と傷をなめ合ったり、愚痴を言い合ったりしていたかもしれません。しかし偉くなればなるほど、仲間は減っていき孤独になります。
評価者でもある管理職は、公平性が求められます。特定の部下とばかりコミュニケーションを取っていたら、他の部下にはひいきに見えてしまう可能性もあります。
さらにビジネスにおいて、管理職は決断を求められる機会が増えます。部下からの依頼、会社としての判断など、いろんな立場で決断が必要になり、しかも誰にも相談せずに即断即決で判断する必要もあります。管理職は意外と孤独で、孤独に耐え得る能力も必要です。
管理職として会社評価と市場評価を見極める能力
管理職としてのキャリアを積み重ねていくと、社内調整能力が身に付きます。しかしその能力が高くなったとしても、他社で同じように通用するとは限りません。
また管理職として評価され、さらに上のポジションを勝ち得たとしても実は社内評価が高いだけで、市場価値はそれほどない場合もあります。A社での管理職の能力が、B社で同じように発揮されるわけではない。会社評価と市場評価は別と考える冷静さが必要です。
調整能力やリーダーシップ力のベースは、どの会社でも通用します。しかし自分が想定している以上に、これまでの実績や信頼があったから、業務が遂行できているのかもしれません。管理職として社内で評価されていても、常に市場の評価も意識する能力がないと、いい転職はできません。
管理職を楽しめる能力
昇進して管理職のタイトルはもらえたものの、残業代はつかないし、経営層と部下に挟まれて精神的に疲弊するなど、管理職はつらい、楽しくないと思ってしまうかもしれません。
それでも責任ある管理職の仕事を任され、たくさんの決断をすると確実に自分が成長します。意外と部下は、責任のある大切な決断を上司に委ねる場合が多いです。
管理職に求められる能力はたくさんありますが、何より長く仕事を続けられないと意味がありません。管理職としてどうやってチームを引っ張っていくかばかり考えているかもしれませんが、何より管理職であるあなたが楽しそうに仕事をしていないと、部下もついてきません。周りの目も大切ですが、自分自身のことも考えましょう。
管理職で身に着けた能力は生涯役に立つ
誰かの上に立つ、責任を負う立場を経験しておくと、会社員以外の立場で参加メンバーをまとめるときに役立ちます。
町内会、趣味やサークル、社外活動、独立したあとなど、生涯を通じて誰かと一緒に仕事をしたり、旅行に行ったりする機会はあります。
必ずまとめ役が必要になりますし、誰かが決断して判断しないといけない場面に遭遇します。管理職を経験していると、こうした場面で力を発揮しやすくなります。
管理職はやりたくないと考える人が増えています。しかし経験してみると分かるプラスの部分もたくさんあるので、人生で1度は経験しておくといいでしょう