50歳からの転職成功例 管理職経験のない男性が再就職できた理由

50歳からの転職成功例 管理職経験のない男性が再就職できた理由

50代男性の転職成功例をご紹介します。

50代男性は、わたしと同じチームで仕事をした仲間です。男性もわたしも会社を退職し、数年後にわたしが勤めていた会社の新規得意先の営業として、偶然の再会を果たしました。世間の狭さ、業界の狭さを痛感したと同時に、50代の転職事情の話で盛り上がったのです。

45歳を過ぎて3回転職に成功した理由

50代男性は容姿も服装も若々しく、40代に見えました。流行やトレンドにも敏感で、会話の内容も若々しいのに、なぜか社内の評価は高くありません。理由は、男性の弱気な性格と自信のない言動で、せっかくいい企画や商品を開発し、ヒットを飛ばしても彼の手柄にはなりませんでした。

結局、どの会社でも管理職を経験することのないまま、リストラまで経験しました。大学生の息子が居る50代男性は、学費捻出のため、必死に転職活動を続けたそうです。ここまでの話で、わたしは転職活動は相当厳しいものだろうと予想しました。

しかし50代男性は、求人数が激減する45歳を過ぎて、3回も正社員として再就職に成功していたのです。決して順調とは言えないキャリアなのに、なぜそんなに転職が成功するのでしょう?不思議に思ったわたしは、ストレートに質問しました。

わたし:「45歳を過ぎて、しかも50代になっても転職に成功する男性って、世の中にそうはいないと思いますよ。失礼でごめんなさい。管理職経験もないのに、どうして転職がうまくいくのですか?」

50代男性:「いや、これといった転職のコツや秘けつはないよ。ひたすら転職サイトに登録して応募したり、友人や知人のコネをあたったりして、普通に応募しているだけ」

50歳からの転職ならではの秘策があると思いきや、あまりに普通の転職活動でした。正社員になれず、アルバイトで食いつないだ時期もあったそうです。ただ男性は、こう付け加えました。

50代男性:「50代という年齢のハンデは、初めから分かって転職活動しているし、厳しさも分かっているから、とにかく応募だけはし続けたよ」

わたし:「ちなみに今の会社に就職したきっかけは、何ですか?」

50代男性:「DODA」

わたし:「えっ?あの、DODAですか?20代や30代が登録する転職サイトだと思っていたのですが、50代の求人ってあります?」

50代男性:「40代、50代の正社員の少ない会社が、世代を埋める人材を探しててさ」

わたしがもし50代なら、大手転職サイトを利用しようと思わないはずですが、50歳からの転職活動の厳しさを誰よりも理解していた男性は、あらゆる手段を駆使して転職活動を続け、再就職できたのです。

50代男性の転職成功から分かった気づき

この50代男性の転職の話から、いい意味で会社選びのこだわりがないと思いました。会社の規模、知名度、給料の高さに執拗にこだわらない、大手転職サイトも友人や知人のコネも恥ずかしいと思わずに使って、たくさんのチャネルで転職活動ができる人でした。また、業種や職種も限定せず、自分のキャリアに関連しない業種で転職に成功したと言ってました。

そんな男性にも、ひとつだけ会社選びの条件がありました。

50代男性:「50代になると、さすがに大企業への転職は難しいかな。自分は中小企業に絞って、転職活動していてうまくいったよ」

大企業への転職しか考えられない50代もいます。輝かしいキャリア、実績など、過去の自分の栄光ばかりを見て、その頃と比較して転職活動を続けている方もいます。

そうではなく、あらゆる選択肢を考えつつ、自分の市場価値を冷静に見極めながら、果敢に挑戦していく50代男性の転職成功例の話に、わたしは心打たれました。

50歳からの転職を成功させるポイント

この50代男性の実例から、改めて50歳からの転職を成功させるポイントをまとめます。

会社選びにこだわりがない

50代男性は会社選びにこだわりなく、とにかくたくさんの応募をしました。それは50歳からの転職活動が厳しいものと理解していたからです。書類だけで会社選びをするのではなく、紙面上では何も分からないのだから、まずは応募するという気持ちを忘れてはいけません。

年収や雇用形態もこだわらない

50代にもなると、年収テーブルは高いと思います。しかし現状維持を狙った転職活動をしていても、若い頃とは違います。自分ではまだまだ若いと思っていても、採用する側はあなたを相当年上に見ていることでしょう。年収にも雇用形態にもこだわらないことで、成功が見えてくるケースもあります。

これまでのキャリアに固執しない

自分は営業畑一本でやってきた、経理しか仕事ができないなど、職種を限定した瞬間に50代の求人は激減してしまいます。営業経験よりもマネジメント経験やコミュニケーション能力の高さに期待しよう、若手の指導力に期待しようと思う会社もあるかもしれません。

自分が思っている以上に、キャリアの幅も応用もきくものです。しかし、自分ではこの職種しかできないと考えがちです。実際に応募してみると、キャリアの幅を見つけてくれるのは自分ではなく会社側です。

その可能性をつかんで転職を成功に導くためには、まずはこだわりなく応募してみることです。

どんなルートも関係なく応募する

50代になったら転職エージェントに登録できない、転職サイトの登録は意味がないと考えるのではなく、ダメでも登録してみましょう。タイミングによっては50代を必要としている企業があるかもしれませんし、登録できる転職エージェントが出てくるかもしれません。

また友人知人を頼るのは自分のプライドが許さないではなく、一度会って話すだけで転職のきっかけがつかめるかもしれません。転職のルートは選り好みせず、とにかくたくさん応募してみてください。

チャレンジ精神を忘れない

この50代男性の話を聞いたとき、表には出ていないけどチャレンジ精神旺盛な人だなと思いました。50歳からの転職活動の厳しさを熟知しているからこそ、こうした戦い方で成功したと思うのですが、何よりチャレンジ精神を忘れていなかったところが大きいとわたしは思いました。

どんなに転職の成功ポイントを勉強しても、チャレンジして実践しなければ意味がありません。書類選考が通らなくても、内定がもらえなくても、エージェントに登録できなくてもチャレンジを続ける、この精神がなければ転職活動は続けられません。

50歳からの転職希望者に企業側が期待するもの

50歳を過ぎてから転職してきた新しいメンバーに、会社は何を期待するのでしょう? 当然20代の若手のように、ポテンシャルに期待するわけではありません。

実務面ももちろん大切なのですが、人生経験豊富な50代ならではの振舞いも期待されています。例えば仕事で大きな困難にぶつかったとき、どうやって乗り越えたのか? 会社の業績が最悪の状況になったとき、どうモチベーションを保ったかなど、アドバイスが欲しい場面があります。

人生においてもビジネスにおいても修羅場をくぐってきた50代は、メンタル的にもタフな部分がありますし、若手には大きな困難に思えることでも、些細なことにしか思えないくらいの強さもあります。

会社における自分の役割やポジションを理解しつつ、チームメンバーのメンタル的なサポートまでできる50代もいます。その会社では50代の新人かもしれませんが、求められるベテランとしての能力を十分に発揮するだけでも重宝される存在になると思います。

皆さんもぜひ、応用して実践に生かしてみてください。

CanWillとは

『Can Will』では、第一線のキャリアコンサルタントが、ミドル・シニア世代のあなたの強みや志向を掘り下げて、納得感の高いキャリア相談を行っています。 「転職すべきか、今の会社で働き続けるべきか?」、「自分の強みが分からない」、「職務経歴書の書き方が分からない」、「自分の市場価値について客観的な評価ほしい」。 このようなキャリアに対するお悩みやモヤモヤがありましたら、ぜひ一度『Can Will』のキャリアプロフェッショナルにご相談ください。