50歳からのセカンドキャリアを始めるために必要な3つの考え方

50歳からのセカンドキャリアを始めるために必要な3つの考え方

50代からのキャリアは、役職定年を迎えたり、待遇が悪化してしまったりと不安が重なりがちで、セカンドキャリアを強く意識する時期でもあります。50代から始めるセカンドキャリアを考えるうえで、試して欲しい3つの考え方をご紹介します。

50代になったら自分の名前をエゴサーチしてみる

50代になった皆さんは、自分の名前をインターネットの検索エンジンで検索した経験はありますか? エゴサーチと呼ばれるこの行動は、自分の市場価値が分かる指標のひとつです。

例えば、自分の仕事やプロジェクトの成果を講演会で発表した方、業界紙やメディアなどの取材を受けた経験のある方は、自身の名前や会社名、役職が検索結果に表示されるはずです。もし、50代で転職をする場合、会社の人事はあなたの名前をネット検索しているかもしれません。

あるいは、自分の仕事とは関係ない活動、例えば趣味のブログ、会社の枠を超えた社外メンバーとの副業、twitterなどSNSを使った継続的な発信をされていて、その活動が検索で引っかかる方もいます。

50代を迎え、自分のこれまでのキャリアは、会社の外の人にどう映っているのでしょう?

エゴサーチの結果、自分の名前が表示されないからといって、落ち込むことはありません。しかし、50代からのセカンドキャリアを考えるうえで、社内評価だけを武器にして戦うだけでは、弱いかもしれません。

50代からのセカンドキャリアでペンネームを育てる

セカンドキャリアを育てていくうえで、今までのキャリアの延長で考える50代は多くいます。しかし、セカンドキャリアには、これまで経験してきた業種や業界とは違う道で、仕事を得る方法もあります。

50代の皆さんは、会社の商品やサービスを売ったり、広めたりする活動は得意かもしれません。しかし、50代になって、本名ではなく新しくペンネームをもらって活動を始め、その名前を世に広めるとしたら、どのような方法をとりますか? 会社名も役職も実績もないペンネームをゼロから育てるとしたら、どう行動しますか?

例えば、これまでのキャリアでつながった人脈を頼って名前を広める、プロモーションに強い会社に頼る、自らSNS等で発信してみる、動画配信サービスを利用してみるなど、様々な方法が考えられるはずです。

会社の商品やサービスを売り込むことに慣れている50代は多くても、なかなか自分自身を販促する、営業するという行動をしてきた人は少ないはずです。自分のペンネームを育てるシミュレーションを、一度やってみましょう。

50代からのセカンドキャリアはプランより実行

50代になって、キャリアコンサルタントから60代、70代になったときの自分を見据えて、長期のキャリアプランを考えるよう言われた経験があるかもしれません。

しかし、50代は頭で考えるよりも、小さな実行を多く積み重ねることが大切です。30代の頃と比べて、多くの知識や経験を兼ね備えている50代。50歳までの人生経験は自分の力になる一方で、はじめの一歩が踏み出せない原因にもなります。知り過ぎているが故に、実行に移しづらいのです。

50代の壁を取り払う意味でも、まずは小さく実行してみましょう。実行に移してみると、50代からのセカンドキャリアの方向性が正しいか間違えているのか、軌道修正が必要か見えるようになります。

また、ひとつの仕事から次の仕事が生まれる、仕事の連鎖のきっかけにもなります。これまでの人脈やネットワークは力になりますが、硬直状態になっていませんか?硬直していると、仕事は連鎖していきません。

50代の皆さんには、経験も知恵も人脈もあります。それらをどう活用するかは、皆さんの行動力にかかっています。

50代未経験でも転職できるお仕事

ここからは、具体的にセカンドキャリアについて考えていきます。

50代未経験でも転職できる職種を探すと、警備関係や営業職、介護福祉のお仕事が候補として挙がります。とにかく目先の生活費を稼ぐために、どんな仕事でもいいから転職する必要がある場合は、こうした職種も検討すべきだと思います。

しかし、人生100年時代の後半戦を充実させるために、50代で敢えて未経験の職種にチャレンジする方もいます。これまでのキャリアの延長線上の仕事に飽きてしまうケースなどが該当します。

50代からのセカンドキャリア、あるいはキャリアチェンジで、全くの未経験の職種に転職すること自体、とても勇気が要ります。しかし、未経験の仕事であったとしても、あるいは異業種、異職種への転職であっても、仕事には必ず共通して使えるスキルが存在します。ポータブルスキルという言葉を聞いたことはありますか?

ポータブルスキルとは、業種や職種が変わっても通用する、持ち出し可能な社外でも通用するスキルのことです。具体的には、課題解決に対しての仕事のやり方や、人との関わり方といったスキルが当てはまります。

実は専門的なスキルがあるよりも、ポータブルスキルに長けている方のほうが採用しやすいのです。専門的なスキルはある程度のところで頭打ちになってしまいますが、ポータブルスキルは共通するスキルなので汎用性が高いのです。

どんなに専門的なスキルを持っていても、人の話を聞くのが苦手でコミュニケーションスキルがない人よりも、傾聴力がある人のほうが社内でもクライアントからの評価も高くなります。

同業種、同職種でしか転職できないと思っている50代は多くいますし、実は企業側も狭い視野でしか人を採用していません。そうではなく、ポータブルスキルがある強みを出せるのであれば、アピールしていきましょう。ポータブルスキルに欠ける経験者よりも、未経験でも新しい仕事に順応できる50代のほうがよっぽどいいわけです。

ここからは未経験の中でも、ブランクのある主婦の例について考えてみます。

50代主婦の仕事

自分のキャリアを犠牲にして、夫の仕事を優先したり、出産や子育てを人生の中心においてきた50代の主婦の方は、長いブランク期間からほぼ未経験と企業側が判断するケースもあります。もし収入を得ることを第一の目的にするのなら、先ほど書いたような介護や福祉の求人ばかりが見つかるかもしれません。

40代後半から50代にかけては、親の介護が現実のものとなってきます。親の介護と自分の仕事が一緒になるので、一石二鳥と考えるかもしれませんが、できれば自分の介護と仕事は分けたほうがいいかもしれません。

同じ介護だから、仕事の介護を家族の介護に生かせるメリットはあります。しかし、介護と仕事の両立を目指したとき、仕事も家でも介護では、リセットする機会が全くなくなってしまいます。

24時間絶えず介護のことばかり考える自分を想像したとき、問題なく生活できますか? できるのなら、介護の仕事をしてもいいと思います。介護と仕事の両立は大変ですが、自分の介護でたまったストレスを職場に行って環境を変えることで、リセットできるメリットもあります。

ブランクが長かったからといって、介護福祉以外の職種を諦めていませんか?会社人事の中には、50代で主婦の事情を分かってくださる方もいます。未経験だからと諦めるのではなく、書類選考や面接で苦労するかもしれませんが、ひたすら応募を繰り返すと思わぬ仕事に結びつくことがあります。

CanWillとは

『Can Will』では、第一線のキャリアコンサルタントが、ミドル・シニア世代のあなたの強みや志向を掘り下げて、納得感の高いキャリア相談を行っています。 「転職すべきか、今の会社で働き続けるべきか?」、「自分の強みが分からない」、「職務経歴書の書き方が分からない」、「自分の市場価値について客観的な評価ほしい」。 このようなキャリアに対するお悩みやモヤモヤがありましたら、ぜひ一度『Can Will』のキャリアプロフェッショナルにご相談ください。