プロジェクトマネージャーに向いている人とは?
システム開発業務に携わった経験のある人なら、プロジェクトマネージャー(PM)の仕事を近くで見ていると思います。
プロジェクトマネージャーに向いている人はどんな特徴があるのか? 一般的に言われている向いている人と、わたし自身がプロジェクトにアサインされ、メンバーとして働いた経験から分かったプロジェクトマネージャーに向いている人の両方の視点からご紹介します。
プロジェクトマネージャーに向いている人(一般編)
プロジェクトマネージャーに求めるものをクライアントの立場から考えてみると、プロジェクトの各フェーズの納期をしっかり守ってくれて、想定しているプロジェクトの予算管理ができる人がいいです。
一緒に働くプロジェクトメンバーの立場で考えると、プロジェクト全体を俯瞰的に見る力があるとか、チームメンバーとのコミュニケーション能力が高い人などが、プロジェクトマネージャーに向いている人と言えます。
プログラマーからシステムエンジニアを経て、プロジェクトマネージャーになるキャリアパスの人が多いので、現場やメンバーの気持ちをよく理解しているプロジェクトマネージャーは多くいます。しかし現場が見えすぎているが故に、思い切った提案がクライアントにできなかったり、リクエストに応えられない場合もあります。
クライアントからの信頼が厚く、且つチームメンバーからも慕われるリーダー的な仕事ができる人がプロジェクトマネージャーとして向いていると思いますが、簡単なことではありません。
ITスキルがそれほど高くなくても課題解決に長けたプロジェクトマネージャーもいますし、コンサルティングスキルや交渉スキルが高く、話術がすごくてクライアントの信頼も厚いマネージャーもいました。
クライアントの要望を何でも応えてしまうと、開発要件が多くなってしまってタスクがいっぱいになります。また予算的にもオーバーする可能性があるので、必要な部分だけ開発を行いつつ、クライアントのオペレーションの見直しなどで凌ぐ交渉スキルを持っていたプロジェクトマネージャーは、チームからもクライアントからも好かれていました。
プロジェクトマネージャーに向いている人(筆者の視点)
システムプロジェクトは、どこかしらで予定どおり進捗しないボトルネックが多く発生します。発生しないプロジェクトはほとんどないと言ってもいいくらい、想定どおりにプロジェクトは進捗しません。緊急事態に陥っても動じずに、淡々と課題を解決できる人こそプロジェクトマネージャーに向いていると思います。
いい意味で鈍感でありプロジェクトメンバーからの信頼も厚い人だと、どんなプロジェクトの困難があってもチーム全体で乗り越えられますが、リーダーが冷静さを失って慌ててしまうと、プロジェクトが炎上します。他のプロジェクトから大量にメンバーを投入して、プロジェクトの火消しが行われるケースもあります。
またデスマーチプロジェクトにアサインされると大変で、度重なる仕様の変更、あり得ない納期設定、そもそものリソース不足など、休日出勤や時間外労働など、信じられないくらいの激務が待っています。
わたしが経験したシステムプロジェクトは、フェーズごとにプロジェクトマネージャーが変わりました。調査分析フェーズでやっていたことと、要件定義を決めるフェーズでプロジェクトの進め方がまるで違っていたので、1つのプロジェクトなのに2つのプロジェクトを経験しているかのようでした。
クライアントの信頼を損ねないようにしながら、限られた予算やリソース、納期でプロジェクトを回せるかがマネージャーの力量になりますが、それ以上にトラブルへの対応力のほうが大切かもしれません。