女性管理職としてキャリアアップできる職場とできない職場の違い

女性管理職としてキャリアアップできる職場とできない職場の違い

安倍政権時代の成長戦略に、「女性活躍」と「仕事と子育ての両立支援に取り組む企業へのインセンティブ付与」がありました。具体的には女性の出産や子育てによる離職の減少や、指導的地位に占める女性の割合の増加が掲げられ、2020年までに女性管理職の比率30%という数値目標もありましたが、2030年へ先送りされました。

2022年にNHKが国内の主な企業100社にアンケートを行ったところ、女性管理職30%を達成した会社はたった4社しかなく、早期の達成は難しいと答えた会社が53社もありました。女性管理職としてキャリアアップできる会社が少ないことが示されましたが、一方で女性管理職がたくさんいる会社もあります。一体、何が違うのでしょう?

女性管理職へのキャリアを阻むものとは?

NHKのアンケートには、下記のような回答例がありました。

  • 従業員の女性比率が低い
  • 管理職を目指す女性が少ない
  • コロナ禍で加速したデジタル化で店舗の削減が進み、これまで女性が登用されてきた管理職ポストが減った
  • 性別にかかわらず優秀な人材を適切に配置するほうがよい
  • あらゆる属性の差別を行わないというポリシーの下、女性比率に関する目標は設定していない

さらに女性のキャリアを語るうえで必ず出てくる課題が、出産したあとで出世コースから外されてしまうマミートラック問題です。どれも女性管理職への道を閉ざす理由ではありますが、女性管理職を多く登用する会社も存在します。

外資系企業は女性管理職が多い

次に、エン・ジャパンが2019年に調査した『女性管理職採用の実態について』を見ていきましょう。キャリアコンサルタントの回答では、4割の人が女性管理職の採用は増えていると言っています。その理由の2位に挙げられていたのが、数値目標である「2020年に女性管理職比率30%」です。

ちなみ1位の理由は「ダイバーシティ・マネジメント(多様な人材を迎え入れ競争や活性化を促す)のため」、そして女性管理職の多い企業のタイプの1位は外資系企業でした。続いて大手企業、ベンチャー企業、日系企業の順となっています。

NHKアンケートに回答した企業は、おそらく日系の大手企業100社(東証プライム上場)です。キャリアコンサルタントが大手企業の女性管理職の採用が多いと感じていても、アンケート結果から分かるように以前より採用は増えているかもしれませんが、それほど多くはないのかもしれません。

では外資系企業ではなぜ、女性管理職を多く登用・採用するのでしょう? それはロールモデルとなる女性管理職がすでにたくさんいるからだと思います。それこそ本社のある海外には女性管理職がたくさんいますし、そうした職場環境であれば性別は関係ありません。

こうした性別に関係なく評価する動きは、実は日本のベンチャー企業にもあります。重厚長大な古い日本企業とは違って、元々ダイバーシティ志向の強い会社は多くあります。そもそも社員数が少ないので、性別で管理職のキャリアを決める余裕がなく、女性管理職への道が開けています。

女性管理職の割合を数値目標として掲げる会社の中には、対外的なイメージアップを狙ってやっていると回答している会社もありました。そういった会社は、数値目標を掲げないとそれまでの企業文化を一新するのは難しいと考えているからかもしれません。

少子高齢化が加速する今、生産年齢人口の減少も加速し、社会全体で働く人が不足しつつあります。日本のベンチャー企業や外資系企業がすでに実現しているように、大手企業でもさらに女性の登用を行うべきです。

最終的には、女性管理職の数値目標を掲げる必要のない未来や社会が理想です。

CanWillとは

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